野菜が採れた果物が採れた

かんてんができたサラダができた

でも採れたと同時に

出来た同時に

それは腐乱の影を持って

徐々に徐々に影の中に入ってゆく

神の手に成るものと

人の手になるものと

腐乱から逃げられるものはなく

息気を放ちながら

もともとの

形を成した

地の水 川の水

少量のにごった水に戻ってしまう

自分が食べなくても

器の中で

食べても

自分の体の中で水となり

だがその自分も

息が止まると忽ち腐乱し始める水

水はさまざまな形を借りて

静かに忍び寄り

腐乱の影を遠く押しやりながら

いつも新鮮に現れる