一匹の羊ある人は 神様によって生かされているのだと言う ある人は 細胞の活発な動きによって生きているのだと言う 自分の命一つ 無と有の間 秋のこぼれ日に手をかたせば かすかに透ける血の赤さ 草や木や 鳥や魚や 虫や獣と 共に参加しているこの世のいちにち 見えて触って持つ実感 神の領域に在るのか 生物学の領域に在るのか じっと見つめて己の生 誰も答えてくれぬ答えを 群れから離れてしまった羊の様に ひもじげに 探している 昼の自分