あてもなく歩いた事はない

火をたいた事はない

物を作った事はない

みんなどこかに行く為に歩いた

食べるために火をたいた

誰かに鑑賞してもらうために作った

着るためにに縫った

明らかな目的があって動いてきたのだ

動けと言われて動いた事はない

内側から突き上げる

のっぴきならない必然のために動いただけだ

自分の中に

情緒や知性が働いている間

自分は豊かな感動にひたるために動く

自分が動かなくなる日は

自分にとって必然や感動という

生ぐさいもののなくなる日

その日は

動かなくなった自分を

まだ動く人の手が

とりどりの花を飾って

奇妙な感動を

述べるかもしれない