ひとつの事を終えると

休む間もなくまた始める

しかし

自然は

自分よりもっとせっかちだ

つぼみが膨らんだかと思うと

瞬く間に綺麗な花を散らせ

旺盛(おうせい)な繁茂(はんも)へ実り凋落(ちゅうらく)へ

次の芽吹きへと心せきながら

裸木の中へ隠れてゆく

この

激しい変化を遂げながら

どこへ行きつこうとしているのか

いま

盛んな秋口の太陽のもと

さんぜんと輝く大樹にもたれて

耳をすますと

脱ぎ捨てた日々の殻

脱ぎすつつある日々の

研磨の貴女

雄大な美しい歴史が

派々と息づいていて

体も芯に

ジンわりと伝わってくる