それは

豊かな香りを発散させながら

遠い

  遠い

ところから

流れ続けて来た内側の勢いに

おされおさら

もどかしげに

花びらを押し開く

一つの命

ひたすら

咲き切る事だけを希っている

無防備な明るさ

盛りへとどこうとする

確かな熱気

それは

ただ

 ただ

咲き切ろう

咲き切ろうとしながら

いつの間にか

欠け初めている