自分は乾きつくしている

飢えつくしている

乏しくなりすぎている

ほんのり向こうから灯りが見える

夜道の様に

どこか深いところから

じわじわうるおってきて

やがてこんこんと湧き出る泉が

身のうちにでき

ぬらしつづけてきれた

何度目かの経験があって

いま

けんめいに貴女をなだめている

あの

向こうからやってくる

時がくれるよ

時がくれるよと

なえしぼむ貴女に栄養を与える様に

ひそひそと言葉をこぼす

風邪もなおしたよ

火傷の傷もなおしたよと

なにかが言う

そして

ひそひそ

ひそひそ

言葉はしみてゆく

しみてゆく

しみてゆくのだ

葉をたれてたっている

自分の中の樹々の上に

大地の上に