彼方は盛りの美にまよい

あれか

こらかと

持たされた選ぶ自由の重たさと

選ぶことの恐ろしさにたじろぎながら

一本を選ぶ

自分を選んでくれたあなたよ

貴女は自分のどんな美を見つけて選んだのだ

その美が

いつまで保たれると思って見たか

選ぶ貴女は最も美しく自分を選び

自分の美の中に

終わりの見にくさを抱き合わせて売りつける

自分を抱きかかえている貴女よ

貴女の腕の中で

一瞬

一瞬

衰えている自分を

どのようにして

とどめることが出来るのか

輝く花は

忍び寄って来る暗い眠りを

押し殺して

かすかに震えている