汽笛が

ボーと太く響いてくる

霧にとじ込められた

船の戸惑いが響いてくる

自分の中にも

この汽笛の様な叫びを上げている

ところがある

今は

ぼうぼうと

へんにおだやか

霧の様なものに取り囲まれて

よく聞こえない

屹として

自分の中にそれが立つのは

自分がもっと吹き去らされて

冬の青空の様に

澄まねばならないいだろう

遠くで

もどかしげに汽笛が鳴っている

本当に

海から

それは・・・・・・