華やかなヒレを動かし

群れの中を泳いでも

止まると

はなおこぜはやっぱり一人ぽっち

美しい羽をひろげて

ひときかっさいを受けても

孔雀の中では

いっそう重いものをたたみ込んで

いつも灰色

自分は人でいっぱいの街にいて

そのにぎわいをしばらく楽しんだ後

ふとに地の巣ているような人恋しさを

もてあます

絶えず冗談の言える相手に恵まれながら

何も話せなかった様な

ひもじさに渇く

太陽に向かって歩く人の

ざっくりかけている

後ろの寒さ

すべてのものは

深い孤独に脅えながら

ちょぴり光っている瞬間を感じて

ガラスの様にもろく

暮らしている