びっしりと

花びらを重ねて

完全な花形をを持っていたバラが

はらりと

空洞の様に

自分の心に

できてしまった空洞

愛や憧憬や

夢で

ゆるぎない幸せをつむいだ

あんなに美しかった時間は

もうない

空洞をのぞくと

果てまでつづく様な

暗さがあるばかりだ

そこには

すべての事の終わった後の

意味のない静かさがうずくまっていて

対き合う事を

こばもうと

望もうと

ひきずり込む様に

その底へひぱってゆく