綺麗にしてますねと言われば

ありがとうと答え

おだやかに笑いますね

と言われればそうですかと答えて

微笑をもらす

けれども

胸の奥は

いまひとつの人への憎しみが

燃え上がっている

それでも

静かに返事をしている限りは

誰も解らない

自分は隠れみのの内側で

煮えかえる釜をたいて

顔に出しそうになるのを

くしゃみ我慢するかの様におさえて

素朴な人をよそおい

そして

日暮れがあーっと

少しばかりのモノを

地面に吐いた