引き裂かれた心の血

寒い心のひび割れ

痛い心のしはん

言葉のてっついをしたのは

人か

己れか

生傷をむき出したまま立つ

どこからも

それで良いから来いと

呼ぶ声は

聞こえてこない

道化師の様に

赤いマントを着せられ

痩せた手にあしの葉をもたされ

いばらの冠をかむらされ

ピラトの元に引き出された

あの男の

愛の声さえ

聞こえてこない