あたたかくどっぷりとした丸みお

陽に包まれている石ころも

中は細かい結晶をびっしり抱いて暗い

いくら沢山集めてきても

石ころは

ひとつひとつの色もち

ひとつひとつの固さをもち

決してくっつかない

皮膚と皮膚とをすり合わせても

結晶の数だけくだいても

あたたかそうに陽を吸う

石ころの中の暗さは

地球の芯の暗さとおなじ

物は外皮をもち

誰にも知られることのない内側から

照らされた願望で形を支え

夜の地球と共に冷え

昼の地球と共にあたたまり

自分も石も

握っているなにものかに

手を放されると

光と闇が分けられる

ドラマの初めの

混沌の不安に

いつも

落ちて行こうとする