夢はふくらんだ

そしてなえんだ

人は寄ってきた

そして離れて行った

生きたいと思った

そしてうとましくなった

いまは

買い集めた玩具を見るように

それらを見ている

もはや

愛着もなく嫌悪もなく

ただ見ているだけだ

風は吹いたそして流れて行った

波は押し寄せたそして返して行った

いつも一人残される自分

満ちるものや引くものの間に

有無をいわさず立たれる自分

その傷ついた目を

花弁のような優しいまぶたで

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