秋のもやがかかっても

木の葉が霜をやどしたも

自分の中には濡れない羽がある

遠い便りは」きかれても

人の情けはつたわっても

自分の中には濡れない干潟がある

どんなに近づいても

どんなにじょう舌になっても

自分の中には濡れない固さがある

みんな

なれなれしく

お手軽な約束をし

それか遠いとこへ行ってしまう

自分の中へ

ぬれない部分をますます広げながら

霧が

すべての風景をかくしてしまっても

自分の中の乾いた部分は

ひりひり痛みながら

はっきりと自分自身に叫ばれる

自分は濡れたところが出来ない

濡れることが出来ない