どんなに美しく装うとも

お前は裸にされる

どんなにかくれようとも

お前は

お前を埋めることができない

お前は

現れることによってしか

お前ではないのだから

ひとつのしわ

ひとつのほくろも

お前がお前をかくす事がはでいない

お前はほくろのために

美のそこなわれることを知っていても

ほくろを写す

ひとつのしわによって

支えてきた過去の重さを一枚一枚はがす

お前のとしいとも

自分の中の自分よ

この冷たい手術のおわるまで

どんなに逃げようとも

お前からお前が逃げることはできない

お前はいつも

お前を見て立つ一枚の鏡

いとも冷たい一本のペン

お前は

お前のペンで突き刺される

言葉の負債者