いつからか

貴女は自分の川だった

眼を開けると

めくるめく流れがあった

広い広い流れだった

自分は

貴女の川を流れて

大洋に押し出される稚魚

貴女の言葉は食事

貴女の川を流れる稚魚の中で

自分は

最もさかんな食欲をもつ稚魚でありたい

貴女の岸は静かだ

あふれる水脈をたたえて

ゆったりと流れる川だ

しかし

その中心に渦巻く情熱の本流は

常に

危険と生を共有しながら

ただ一筋に流れる

魅惑の流域だ

流れよ川

自分は稚魚

貴女の川の中で

最も食欲にむさぼりながら流れている

一尾の稚魚