自分の中に

黒い渦巻きがあります

台風の眼のように

吹き荒れる風の中の

無気味に静かな

渦巻きですが

じっとのぞいていると

踏みにじられて誇りや

小さな恨みや

さまざまな形をした怒りが

よじれた爬虫類のように

もつれながらうずをまいているようです

それは

いいと思って避けれるものでもない

もまれながら生きている時

それも自分の中で生きはじめ

希望や

  愛や

美のかたわらで育ってゆくのです

吹き荒れている風の中の

生きようとするたたかいのすきまから

あくたのように生まれ出る

本能の

渦巻きなのです