樹木のこぶをさする時

深い深い重さがある

遠い遠い悲しみが伝わって来る

厳しい風雲に耐え

けんきょに

勝利を口ずさみ

内部の傷をいやし続けたこぶ

こぶは

傷痕

だが

美しい

ほかのどの木よりも

こぶの多いお前の外観はひときわ目立つ

傷ついても傷つけられても

癒し続けたお前の

無限に優しい存在のわびしさは

自分を魅惑する

ああ

その背伸びしない

安定の美しさに

自分のすべてあずけて眠りたい