ひとつの真実があった

たくさんのじょうぜつがあった

冷えびえとした秋の林の中で

じょうぜつは吹きこぼれ

真実は裸で立っていた

人々はかたくな真実より

柔らかいじょうぜつの吹き溜まりに

なじんで行ったので

真実はますますかたくらに

天に向かって突立っていた

秋の林は

喋る必要のない静かさと

吹き散らばるじょうぜつを集めて

透明な視野の中に

あやうえば

ゆらめいていた