絞りだされたレモンの汁が

器の中へ溜まってゆく様に

一枚の紙片の上に

自分の中から絞り出された

言葉たちが書き留められてゆく

書き留められた生々しい言葉の乱雑さを整理すると

もう自分の中には

イミテーションの飾りを付ける程の気力もない

なんて残酷なんだ書くってこと

レモンの絞りかすの様に空っぽになった

頭を支えて寝ころんでいると

空っぽの不安の中から

はやくもほかの白いレモンの花のように

もうひとつの意味が育っている

絞り出される為に実を結ぶレモンの

勾やかに位置し始める

もうひとつの意味のいじらしさ

自分はそれが熟すまで

長い時間を待たなければならない

この残酷なもうひとつの新しい作業が成し遂げられるために

ああなんんてさみしいんだ

レモンの匂い

自分の中のレモン

際限もなく意味し育ってゆくレモン

なんていじらしいんだ

書くってこと