ある日

身動きできない位置にいた

どっちを向いても壁壁壁

社交の壁思考の壁自由の壁

灰色の壁の部屋

愛の壁思想の壁想像の壁

クリーム色の壁のドーム

自分はうなぎ

壁の内側の空洞に

静かな静かな場所がある

そおっと生きていればいいのだ

そおっとそおっとおっと

素晴らしい羽化むかえるまで

だが

悪あがきをするので

壁に頭をぶつけては

その痛さに縮んでしまう