出会わなかったいぜん

湖は氷っていました

貴女と視線が合ったとき

あの

熱い羞恥で溶けたのです

だから

自分の眼の底には

青い湖が深々と横たわっています

あの日

貴女が投げかけてくれた言葉が

自分の湖の中で

あわい水輪になって

果てしなく広がります