バラはただ

みずからの内側からほのかに明るむ

活力のほ先を輝かせているのだ

自分からすでに遠くになってしまったものを

なんと

ほこらしげかざしていることだろう

自分は

いまもし誰かに見られえているとしても

生に疲れ荒廃したこの心から

外側に輝き出るものなどもち合せていない

背むしの娘のように

痛みを抱き込んで

ただうずきまっている

自分が見るものは

生きることさえこばもうとしている

青白いほほだけ

自分とバラと

あまりのも似つかないものが

夕べの庭に並んでいる

バラはこころをもたずに明るみ

自分は

心を持って暗く