これ以上

手をのばしようもないというほどのばし

貴女は

うすいカーテンの向こうにいて

自分はわずかにカーテンをさするだけ

貴女はそこにいて

すぐつかまえられるようにも思う

けれどもそれは

衣服に身を包んだ貴女の肉体

本当の貴女は何処にいるのかわからない

その不明のものこそ貴女で

自分のつかみたいのもその住所なのに

小さな声で呼ぶと

んんと返事をする貴女は

より近く自分のものだあるような

そるからわけなく入ってゆけそうなのに

言葉がとぎれると無限の空間が私達の間をへだてる

だから自分は不安で

何度でも呼び

貴女の中へ入るための入りをみつける入口を見つけようとする

その顔その手すべて貴女のに

貴女であってなお貴女ではない

自分は貴女をつかもうとする故に果てしなく孤独だ