小さなほこらのような

心の底のそこで

最も燃えていた灯り

貴女が

すっぽり自分から去って行ったから

いまはただ

暗いあながあるばかり

そのあなを

たえず吹き抜ける風

背をまるめても

うでをこまるいても

ふさぐすべのないあな

内側からは

もうなにも照らしはしない

目は見ていて見ない

手は動いていて機械的にことを成すだけ

陽の光さえ

ただ

白いばかりで表情がない

いまなら

誰かがちょと突いただけでも

自分はたぶん

ころぶだろう


きらきら研修医

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