本日は、N.Mixta×boschianaの交配‐その7について紹介します。

①交配番号 :NO.93
②交配親  :N.Mixta[♀]×boschiana[♂]
③交配日  :2021年11月22日
④採取日  :2022年4月11日
⑤播種日  :2022年4月15日
⑥発芽確認日:2022年6月7日

種子親のN.MixtaはN.northiana×maximaの交配種で、1893年にTivey氏によって作出された品種です。どこの植物園でも栽培されている様なメジャーな品種ですが、最近は高地性種や種々交配種が幅を利かせ、本種の流通は極めて少ない様に思います。これもN.Wittei等と同様、ビクトリア朝時代に作出され、100年以上育てられてきた素晴しい古典品種で、最高傑作の一つだと言われています。
両親の良いとこ取りの様な品種で、ロアーは独特な色合い斑模様と幅広リップにストライプが入るとても美しいもので、アッパーは嚢表面の色合いこそ薄れますが、真っ赤に染まったリップはひとくわ目立つものです。
一方の花粉親のN.boschianaは1839年に記載された古い品種で、ボルネオ島南カリマンタンのSakumbang山に固有と言われていましたが、北側にあるBesar山でも発見されている様です。標高900~1800m辺りの低山の石灰岩性土壌等に自生するやや高地性種で、尾根や山頂付近の良く陽のあたる場所を好みます。この種は色合いがとてもシックで下腹部が瓢箪の様に膨らむ個体が多い様ですが、我が家の個体は結構スレンダーな感じです。
以上の両親を交配してみました。挿し木苗に偶々開花したもので、樹勢がガッツリとした個体ではなかったせいか、鞘自体の見た目は結構立派に見えましたが、実際採取してみると殆どが「しいな」で結実率は1%もありませんでした。何とか種実が充実していそうな20粒程度が採取出来播種しました。
唯、以前も交配して播種したのですが発芽しなかったので、半月後別の挿し木苗に開花した雌花にも交配しました。この5月1日に採取したのですが、こちらも殆どが「しいな」でまともそうなのは数十粒のみでした。
果たして発芽するかどうか疑問ではありましたが、6月8日に播種鉢内を確認したところ2芽発芽していましたヽ(^o^)丿。他に発芽が始まった種子もありコンタミ等は無さそうですので、これから更に発芽してくれるものと推断します。無事に生長してくれたらdarkticなN.Mixta寄りの個体ができるのでしょうか。
2022年8月下旬に10個体をセルトレイに上げました。その後本日迄ずっとほったらかしのままになっていました。当然生長する筈もなく遅々としていましたので、2023年10月に3個体だけですが2号ビニールポットに上げました。その後ほったらかしになっていた播種鉢内の個体は今でもそのままです(;^ω^)。多分ずっとこのままかも…(#^.^#)。本日はその播種鉢内の個体について記事にしました。下段写真左から、

1.種子親のN.Mixtaのロアー。斑模様異色合いがN.maximaに良く似ており幅
  広のリップが目立つ美しい個体
2.こちらは花粉親のロアー。本種は下腹部が膨らむ個体が多いが、我が家の
  個体はご覧の通りややスレンダーである(ノД`)
3.蒴果と種子。見た目は充実していそうだったが、結実は悪く殆どが「しい
  な」で1%程度といったところだろうか。この半月後にも同様に交配した
  が結果は同程度だった

1.こちらから三枚は2022年6月8日に撮ったもので、こちらは播種鉢の
  様子。小粒硬質鹿沼土に播種し腰水管理している状態で、上部は2/3程
  度ラップで伏せている。これは写真撮影の為ラップを外している
2.播種鉢左上部にある種子が発芽し双葉を展開している。芽の中心部から本
  葉がチラッと見え始めている
3.別の実生。他にも発芽しかけている種子もあり、これからしっかりと発芽
  してきて欲しいものである

1.2022年8月6日、播種鉢内の様子。発芽率は悪い様だが少しは大きく
  なってきているかな
2.2022年8月25日、10個体程セルトレイに上げたところ。少しでも
  育ってくれれば良いのだが…
3.こちらは2022年12月12日に撮ったもので、その後ほったらかし状
  態になっていた播種鉢内の様子。何と4芽程双葉の個体がある。最近発芽
  したようである。既に種は半年程度経過しているが生きていた様だね(^O^)

1.こちらから五枚は2022年12月12日に撮ったもので、こちらは8月
  下旬にセルトレイに上げた10個体のこの時点での様子。左最下段の個体
  は一寸怪しいが、何とか生きている様である(^-^;
2.左写真の左最上段の個体をアップ。まだまだ小さいネ~(^^;)
3.左写真の個体の一つ下の個体。こちらはやや小さい様である
4.こちらは右上から三番目の個体。何とかボチボチって感じだね
5.右最下段の個体。何れも直径2cm少々の実生で大差は無いが、これから
  の気温低下で生長はおぼつかないと思うが、来春以降の生長に期待したい
  ものである

1.こちらから五枚は2023年10月24日に撮ったもので、こちらは10
  個体をセルトレイに上げたもので、ずっとほったらかし状態になっていた
  (;^ω^)
2.鉢上げの為1個体根鉢を取り外したもので、僅かながら根が確認できる
3.2号ビニールポットに上げたところ。生長は遅々としているが着袋は良い
4.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。当然ながら海のものとも山のものと
  も(^_^;)
5.次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。僅かだが色合いが載ってきた感じだ

1.こちらから四枚は2023年10月24日に撮ったもので、こちらは
  別個体の根鉢の様子。こちらも根量は非常に少ない様だ
2.2号ビニールポットに上げたところ。3個体の中では一番がっちりしてい
  る感じ
3.左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢。若干色付いている感じ
4.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。色合いが少し増してきた様だ

1.さらに別個体の根鉢を外したところ。判り辛いが3個体の内では一番根量
  が多い
2.2号ビニールポットに上げたところ。何かとっても華奢な感じ(^^ゞ
3.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。色合いは殆ど無くとてもslenderな
  感じだね~
4.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢。こちらも色合いはほぼ
  無くslenderだ

1.こちらから六枚は2024年4月6日に撮ったもので、こちらは鉢上げし
  た3個体の内の1個体のこの時点での株姿。葉数は少ないがやっと大き目
  の葉身が展開してきた
2.左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。未だ海のものとも山のものと
  も判断つかないが、裏蓋に若干模様が入ってきた感じ
4.鉢上げした3個体の内の2個体目のこの時点での株姿。3固体の内では出
  来が一番悪い(;^ω^)が、やっとリーフジャンプが始まった感じだ
5.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。全くと云って良いほど特徴は無いね
6.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん

1.鉢上げした3個体の内の3個体目のこの時点での株姿。この個体が一番成
  績が良い様だ(*^^*)
2.左写真の個体に着いた一つ前の捕虫嚢。リップが何かdirty(^_^;)
3.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。特徴は全く無い様に見えるが僅かに
  袋表面に色合いが載ってきている様だ
4.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢。もう少ししたら完成し
  そう(^'^)
5.ほったらかしになっていた播種鉢の実生たち。生育に大差があるが何とか
  頑張っている様だ。早くビニールポットに上げてやらないと…

1.こちらから六枚は2024年10月5日に撮ったもので、こちらは鉢上げ
  した3個体の内の1個体。こちらはこの時点での株姿だが少し調子が悪そ
  うである
2.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。リップのみ赤く染まってきた。どう
  もN.Mixta寄りの様である
3.鉢上げした3個体の内の2個体目のこの時点での株姿。こちらは更に調子
  が悪そうだ。猛暑のせいだろうか(・・?
4.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。こちらもリップのみ赤く染まってお
  り結構slenderな雰囲気である
5.鉢上げした3個体の内の3個体目のこの時点での株姿。3個体の内で一番
  状態は良さそうである(*^^*)
6.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。こちらもリップは赤く染まり一番ぽ
  っちゃり系の感じだ

1.こちらから六枚は本日2025年3月14日に撮ったもので、こちらは2
  023年10月にビニールポットへ鉢上げした3個体の内の1個体。葉が
  縮れずっといじけていたが、最近になって漸く綺麗な葉身がリーフジャン
  プしてきたε-(´∀`*)ホッ
2.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。リップは臙脂色に染まる感じだ
3.こちらは更にいじけた状態が続いていたが、最新の葉身はびっくりするほ
  どリーフジャンプしている(*^^*)。これからの生長に期待しよう(^'^)
4.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢で蓋が開いたばかりのもの。こちらも
  リップは臙脂色になる
5.こちらの個体が一番スタンダードな雰囲気
6.左写真の個体に着いた最新の捕虫嚢。こちらは若干色合いが薄めだろうか

1.こちらから二枚は2024年12月22日に撮ったもので、ほったらかし
  になっている播種鉢の実生たちの様子。すこしずつだが生長している様だ
2.一番大きな個体に着いた最新の捕虫嚢。雰囲気的にはN.boschiana寄りだ

  ろうか
3.こちらから四枚は2025年3月14日に撮ったもので、左端写真の播種

  鉢の現在の様子。僅かながら大きくなってきている様だ
4.左から二枚目写真の捕中嚢のその後の様子。未だ完璧さを維持している様
  だ(*^^*)
5.左写真の捕中嚢の次に着いた最新の捕虫嚢で、リップがやっと開き始めた
  って感じ
6.こちらは二番目に大きな個体に着いた最新の捕虫嚢。これもN.boschiana
  寄りの様である

1.こちらから六枚は本日2025年8月29日に撮ったもので、こちらは鉢
  上げ失念の播種鉢内の様子。1個体は巨大化傾向だ(*^_^*)
2.こちらは一番大きめな個体に着いた最新の捕虫嚢。リップが赤く色付いて

  美しいね
3.左写真の個体のリップをアップしたところ。少しずつ幅広のリップになっ
  てきている様だ。今のところリップの反り返りはあまりなさそう
4.左写真の捕虫嚢の次に完成しそうな最新の捕虫嚢の赤ちゃん。蓋が徐々に
  開いてきているね
5.やや小さめの個体に着いた一つ前の捕虫嚢。こちらは僅かにリップが幅広
  になりつつある雰囲気だ
6.左写真の捕虫嚢の次に完成したばかりの最新の捕虫嚢。この時点では蓋は
  未だボンネット状である

 

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