本日は、N.Prosperity×(rowanae×ampullaria)の交配‐その11について紹介します。
①交配番号 :NO.82
②交配親 :N.Prosperity[♀]×(rowanae×ampullaria)[♂]
③交配日 :2018年10月9日
④採取日 :2019年1月21日
⑤播種日 :2019年5月11日
⑥発芽確認日:2019年6月19日
種子親のN.Prosperityは、以前フランスのマルセル・ルクーフから輸入したN.Dicksonianaの種名が付いたN.mirabilis(以前N.mirabilisのsynonymと言われていたN.anamensis?)の交配種らしい不明種ではないかと言われていましたが、ご本人によるとN.mirabilisであったと述懐されていたそうです。1977年に故久保春人氏によってこの種とN.Dyerianaを交配したものです。
一方花粉親のN.rowanae×ampullariaは2013年12月にぷりんさんより入手した個体になります。本種は生長旺盛で、さぼる事も無く確実に着袋してくれる品種で、コロコロっとした大きめの嚢を着けてくれます。低温、高温もなんのその、強健種でとても育て易い品種ですが、少々図体がでかくなります。(o^―^o)ニコ
この2種を交配してみました。そのコンセプトは、N.Prosperityの色合い模様に、N.rowanae×ampullariaの大きなコロコロとした嚢の形状が発現する事です。以前我が家ではN.viking×(rowanae×ampullaria)を交配(この記事はこちらから)しましたが、コロコロっとしたとても良い感じの赤い捕虫嚢が着きましたので、今回は柄、ストライプ入りのコロコロ感を狙っています。果たして目論見は…。
受粉率はとても高く、充実した種子が沢山取れました。これだと間違いなく発芽率は良いでしょう。唯、播種したつもりが何時もの様に失念しており、3ヶ月半程度経過して播種するに至りました。採取から播種迄一寸時間が経っていましたので、発芽してくれるかどうか心配でしたが、播種鉢内を確認したら結構雨後の竹の子宜しく状態になっていました。Nepenthesの種子は余り日持ちしませんので、採取したら早めに播種すべきですが、本種の様にある程度時間が経っても大丈夫なものもあるようです。
沢山発芽したのですが、一寸目を離したすきにドライアウトにしてしまい、結局2個体のみ残るといった始末になってしまいました。2個体は一寸雰囲気が異なるようです。
ビニールポットから4号プラ鉢に鉢上げ後少しは大きくなった様ですが、今のところ生長は遅々としています。これから爆発して欲しいのですが、特に昨夏の猛暑で全く駄目になりそうでしたが何とか耐えました。ただ、今夏は更に酷暑の連続ですので危うい雰囲気です。まあ、気長に見守りましょう。下段写真左から、
1.こちらは種子親のN.Prosperityで、結構大き目でロアーはとても色合いの
濃い捕虫嚢を着けてくれる。高温低温に強く、着袋率も高い秀逸種である
2.こちらは花粉親のN.rowanae×ampullaria、アンプに似た丸々っとした感
じで結構大きな嚢をバンバン着けてくれる秀逸種
3.蒴果と種子、鞘は結構大きくなり結実はとても良かった。N.Prosperityは
充実した種子が良く採れるようである
1.こちらから四枚は2019年6月19日に撮ったもので、こちらはこの時
点での播種鉢内の様子。採取から播種迄結構時間を要したので、発芽は無
理かなって思っていたが、この朝確認したら雨後の筍状態になりつつある。
これだと2週間程度前には既に発芽が始まっていたようだ。高温時期なの
で、発芽迄1ヶ月弱で結構早かったようだ
2.左斜め上辺りをズームインしたところ。此処だけでも12芽以上発芽して
いる様だ
3.右斜め下辺りをズームインしたところ。こちらは8芽程度発芽しており、
発芽し始めているものもちらほら見てとれる
4.右やや斜め上辺りをズームインしたところ。既に4芽発芽しており、発芽
開始している種子もある
1.2020年6月19日、最初の個体をビニールポットに上げた様子。発芽
自体はボチボチだったのだが、その後の管理不手際で2個体のみ生き延び
た内の1個体
2.こちらから二枚は2020年9月14日に撮ったもので、こちらは左写真
の個体のその後の様子。何とか枯れずに大きくなってきた様だ。これ位迄
になると一寸安心だね
3.こちらは生き残ったもう一つの個体。ビニールポットに上げた時の写真が
見つからなかった。未だ海のものとも山のものとも分からないが、何とか
大きくなって欲しいものである
1.こちらから四枚は2021年4月10日に撮ったもので、何れもNO-1個体。
こちらはひの時点での株姿。冬季無加温の廊下で監理を余儀なくされたた
めか生長は捗々しくないがこの1月から温室組に仲間入りしたので、これ
からの生長に期待したいものだ
2.植替えの為根鉢を外したところ。まあボチボチの根量だろうか
3.4号プラ鉢に鉢増しした様子。今後の成長に期待しよう
4.最新の捕虫嚢をアップ。未だ海のものとも山のものとも分からないが、若
干特徴が窺い知れるかな
1.こちらから四枚は2021年4月10日に撮ったもので、何れもNO-2個体。
こちらはこの時点での株姿。こちらもNO-1個体と同様冬季無加温の廊下で
監理を余儀なくされたため生長は捗々しくない
2.植替えの為根鉢を外したところ。NO-1個体より根量は少なめである
3.4号プラ鉢に鉢増しした様子
4.最新の捕虫嚢をアップ。こちらもNO-1個体と同様だが、この春以降ボチボ
チ生長してくれることを期待しよう
1.こちらから六枚は何れもNO-1個体。こちらから二枚は2021年6月22
日に撮ったもので、こちらはこの時点での株姿。温室に入れてから少しは
大きくなったかな(・・?
2.最新の捕虫嚢。色合いと柄が少しずつ現れてきた。雰囲気的にN.Prosperity
の形質が現れてきている感じだろうか
3.こちらから4枚は2021年10月6日に撮ったもので、こちらはこの時
点での株姿。生長はやや遅めかな
4.こちらは2つ前に着いた捕虫嚢
5.こちらは最新の捕虫嚢。色合いが結構濃くなってきた様だ。両種を足して
割ったって感じだろうか
6.次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。完成までにはもう少しかかりそう
1.こちらから六枚は何れもNO-2個体。こちらから二枚は2021年6月22
日に撮ったもので、こちらはこの時点での株姿。この個体も温室に入れて
若干大きくなったかな
2.最新の捕虫嚢。雰囲気的にN.rowanaeに似ているような感じ
3.こちらから4枚は2021年10月6日に撮ったもので、こちらはこの時
点での株姿。一寸判り辛いが茎が匍匐してきた雰囲気である
4.地際を確認するとめっちゃ小さな腋芽が発生していた。しかも着嚢してい
るし(^^♪
5.主茎に着いた最新の捕虫嚢。大分赤味が増してきた感じ。それにしても先
祖返りだろうか、N.rowanaeのロアーとそっくりである
1.こちらから六枚はNO-1個体。こちらから三枚は2022年1月30日に撮
ったもので、こちらはこの時点での株姿。一向に大きくならないね~
2.一つ前に着いた捕虫嚢。色合い、柄は比較的良く現れている様である
3.最新の捕虫嚢。リップには僅かにストライプが見てとれる
4.こちらから三枚は2022年4月22日に撮ったもので、こちらはこの時
点での株姿。何か一寸縮んでない(・・?
5.こちらは最新の捕虫嚢。結構色合いは濃くなった様だ
6.次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。完成までにはもう少し時間が必要な
様だ
1.こちらから六枚はNO-2個体。こちらから三枚は2022年1月30日に撮
ったもので、こちらはこの時点での株姿。こちらも一向に大きくならない
2.一つ前に着いた捕虫嚢。色合い、柄は殆ど無い様で、N.rowanaeに似る
3.こちらは最新の捕虫嚢
4.こちらから三枚は2022年4月22日に撮ったもので、こちらはこの時
点での株姿。殆ど大きさが変わらないよ~;つД`)
5.こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。僅かながら色合いが載っている感じだね
6.こちらは最新の捕虫嚢。リップが結構赤味を帯びている。これからの捕虫
嚢もこの様に色が載って欲しいものだが…
1.こちらから六枚は2022年10月19日に撮ったもので、こちらから三
枚はNO-1個体。こちらはこの時点での株姿。相変わらず生長しは遅々とし
ている
2.二つ前についた捕虫嚢。この個体はN.Prosperity寄りの様だ
3.最新の捕虫嚢。色合いはボチボチの様だ
4.こちらから二枚はNO-2固体。こちらは現在の株姿。NO-1個体同様生長は緩
慢である
5.最新の捕虫嚢。こちらの個体はN.rowanae寄りで、口部も丸くなることが
多い様だ
6.次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。完成までにはもう少し掛かりそうだ
1.こちらは2023年7月15日に撮ったもので、こちらから三枚はNO-1個
体。こちらはこの時点での株姿。生長は相変わらずである
2.一つ前に着いた捕虫嚢。N.Prosperity寄りでN.rowanaeのリップが発現した
感じだ
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。捕虫嚢自体大きさはボチボチ
になってきたが、如何せん図体が大きくならないね~
4.こちらから三枚はNO-2個体。こちらはこの時点での株姿。こちらも生長は
遅々としている
5.一つ前に着いた捕虫嚢。雰囲気はN.rowanaeそっくりである
6.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。やや面長になってきただろう
か
1.こちらから六枚は本日2024年2月28日に撮ったもので、こちらから
三枚はNO-1個体。こちらは現在の株姿だが、一向に大きくならないばかり
か一寸縮んでいる様な(・・?
2.こちらは最新の捕虫嚢。状態は最悪だが着袋はとても良い(*^^*)
3.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。完成までもう少しかかりそうか
な
4.こちらから三枚はNO-2個体。こちらは現在の株姿。こちらも遅々としてお
り一向に大きくならない(;O;)
5.こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。何となく良い感じ(*^。^*)
6.こちらは左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。何か超ミニで失敗作
の様だ(;^ω^)
1.こちらから六枚は本日2024年8月19日に撮ったもので、こちらから
六枚は何れもNO-1個体。こちらは現在の株姿だが相変わらずである(;^ω^)
やっと待望の腋芽が地際から発生し着袋が始まった
2.こちらは現主茎に着いた二つ前の捕虫嚢。N.Prosperity寄りである
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた一つ前の捕虫嚢
4.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。全体的に赤っぽいが時間の経
過と共にやや臙脂色っぽくなってくる
5.こちらは地際から発生してきた腋芽に着いた一つ前の捕虫嚢。めっちゃ小
さい(^'^)
6.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。少しずつ本種の特徴が出てき
つつある様だ
1.こちらから四枚は2024年8月19日に撮ったもので、こちらから四枚
は何れもNO-2個体。現在の株姿だがこちらも同様に相変わらずである
2.現主茎に着いた一つ前の捕虫嚢。こちらはN.rowanae×ampullaria寄りだね
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。リップの具合が何となく良い
感じ(*^^*)
4.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。これは完成
までに時間が掛りそうである
1.こちらから六枚は2025年3月20日に撮ったもので、こちらから三枚
はNO-1個体。こちらは現在の株姿だが、主茎はボチボチ力尽きそうであ
る。何とか地際から発生した腋芽が生長してきている様で一寸ホッ
2.地際から発生してきた腋芽に着いた一つ前の捕虫嚢。両親を足して割った
感じだろうか
3.左写真の捕中嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。リップには僅かにストライプ
が見て取れる
4.こちらから三枚はNO-2個体。こちらは現在の株姿だが未だダメージは続い
ている様で瀕死に近いかも(;^ω^)
5.現主茎に着いた最新の捕虫嚢。出来立てでリップは未だ完成していないが
多分これで主茎は逝ってしまいそうだ
6.こちらは地際から発生してきた腋芽に着いた最新の捕虫嚢。腋芽自体勢い
がなく何時逝ってもおかしくない
1.こちらから四枚は本日2025年8月4日に撮ったもので、こちらは何れ
もNO-1個体。こちらは現在の株姿だが主茎は逝ってしまった。今後はこ
の腋芽に賭けよう
2.NO-1個体に着いた一つ前の捕虫嚢。色合いはN.Prosperity似で雰囲気は
N.rowanae×ampullaria似の様である
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。リップの色合いが一寸渋いか
もね
4.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。完成までに
はもう少し掛かりそうだ
1.こちらから四枚は本日2025年8月4日に撮ったもので、こちらは何れ
もNO-2個体。こちらは現在の株姿だが主茎はボチボチ逝きそうな雰囲気
2.NO-2個体に着いた一つ前の捕虫嚢。色合い雰囲気共にN.rowanae×
ampullaria似の様である
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。こちらもリップの色合いは比
較的発色している
4.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。完成までに
は大分掛かりそうだ
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