本日は、N.trichocarpa×gracilis Greenの交配‐その9について紹介します

本日は、N.trichocarpa×gracilis Greenの交配‐その9について紹介します。

①交配番号　：NO.67
②交配親　　：N.Trichocarpa斑点系[♀]×gracilis Green[♂]
③交配日　　：２０１６年９月２０日
④採取日　　：２０１７年１月５日
⑤播種日　　：２０１７年１月１５日
⑥発芽確認日：２０１７年４月３０日

種子親のN.Trichocarpaは、インドネシアの島々の低地（海抜０～３００m）に自生する自然交配種です。元々は独立種として扱われていたそうですが、現在では、
N.ampullariaとN.gracilisの自生する場所に限って生育すること、その草姿、補虫嚢が種子親に非常に良く似ていること、襟の部分はN.gracilisよりやや内側へ巻き込み
N.ampullariaの形質が発現されていること等を勘案した結果、原種ではなくN.ampullariaとN.gracilisの自然交雑種と同定されている様です。本種は、グリーンや斑点系等のバラエティーがありますが、この交雑親は斑点系になります。
一方、花粉親はビィちゃんさんから２０１３年３月に挿し穂をいただいたてもので、２０１６年に雄花が開花しました。グリーン一色のとても美しい品種で、比較的大きな嚢を付けてくれるものです。戴いた当初、成長は緩慢でしたが、植替え後から一気に徒長、とても早くなりました。
この二品種を交配しました。N.gracilisを片親にした交配は、何れもN.gracilisに似ており、顕性遺伝が強いかもしれませんが、本種は果たしてどんな感じの子ができるでしょうか。出来ればほぼグリーンのN.gracilisの風貌でリップにストライプが入った様なイメージは虫の良い話かもしれませんが、そんな子ができればと思っています。
鞘は結構沢山出来たのですが、結実は悪く僅かな量しか採取できませんでした。殆どが「しいな」でした(´；ω；`)ｳｩｩ。発芽までに結構時間を要しました・概ね３．５ヶ月程度かかりました。２０１７年４月末の時点で１芽だけしか発芽していませんでした。その後ほったらかしになっており、ア随分後で確認したところボチボチ発芽していました(^^;。２０１７年１０月に１２個体植付けしましたが、その後素焼鉢の苗を管理不手際で枯らしてしまいました( ;∀;)。あまり状態の良くないミズゴケに植付けたからかもしれませんが、その後１２個体の内生き残ったのは僅かに１個体だけとなってしまいました。しっかりと管理しないとこんな羽目になってしまいますね(:_;)。何とかこの１個体は生き残って欲しいものです。
２０１９年５月にやっとセルトレイから２号ビニールポットに上げたのですが、その後２年間ずっとほったらかしになっていた様です。この２０２１年５月にやっと４号プラ鉢に鉢増ししました。生長は遅々としていますが、地際から漸く腋芽が発生して僅かずつですが大きくなってきている様に思いましたが、その後の生長は遅々としています。又、主茎は力尽きてしまいましたので、何とかこの腋芽が大きくなってくれるのを願うばかりです…。唯、本日現在相変わらずと云うよりもこの猛暑でダメージ大となってきています。唯一の救いは地際から腋芽が発生してきて着袋が始まり、僅かづつですが生長ししています。何とかこれから立派に生長して欲しいものです。下段写真左から、

１．種子親のN.trichocarpa斑点系。この嚢はアッパーで、嚢の表面は殆ど色彩
　　が無いが、内班が透けて見えるのと、リップのストライプが良い感じ。本種
　　は両親に似て高温多湿の環境で良く着袋、成長してくれる
２．種子親のN.trichocarpaの雌花。本種は花粉の受け入れ可能な時期になると
　　ガク片から大量の蜜を噴出する
３．花粉親のN.gracilis Green。濁りのない美しいグリーンで、１２ｃｍ程度の
　　やや大きめの嚢を着けてくれる
４．２０１６年９月１３日に撮ったもので、花粉親の雄花。花粉の量は比較的多
　　かった

１．２０１７年１月８日に撮ったもので、蒴果と種子。鞘は比較的沢山出来たが
　　種子は殆どカスで、充実したと思われる種子は僅かであった
２．こちらは２０１７年４月３０日に撮ったもので、やっと１芽だけだが発芽を
　　確認した。他の種子はコンタミなど無い様なので、これから多少は発芽して
　　くれるだろうか

１．こちらから二枚は２０１７年１０月２３日に撮ったもので、こちらは随分ほ
　　ったらかしにしていた播種鉢の様子。確認したらボチボチ発芽成長してきて
　　いる様である
２．早速セルトレイに１２個体植付けた。本当は２週間ほど前に植付けようとミ
　　ズゴケの準備までしていたのだが、中々時間が取れず終いになっていた。従
　　ってミズゴケの塩梅は一寸悪いが、まあ、良いか^_^;って事で植付けた
３．こちらは２０１９年１月２９日に撮ったもの。状態の悪いミズゴケだったせ
　　いか、１個体しか残っていない。しかも随分時間が経過しているにも関わら
　　ずめっちゃ小さい。やはりしっかりと管理しないと植物も応えてくれないね
　　^_^;。今春にはビニールポットへ鉢上げしよう

１．２０１９年５月５日、ビニールポットに上げた様子。生長はチマチマ状態だ
　　が、何んとなく雰囲気は良さそう(^^)/
２．こちらから四枚は２０２１年５月２１日に撮ったもの。ビニールポットに上
　　げて以降２年程度ほったらかしになっていた様だ。この時点での株姿だが一
　　向に大きくなって無い根(^^ゞ
３．植替えの為根鉢を外したところ。根廻りもあまり良く無いようだ
４．４号プラ鉢にミズゴケで植付けたところ。１個体しか残っていないので何と
　　か無事に大きくなって欲しいものだ
５．蓋が開いたばかりの最新の捕虫嚢。何かめっちゃショボいネ(^^;

１．こちらから五枚は２０２１年１０月２１日に撮ったもので、こちらはひの時
　　点での株姿。相変わらず生長は遅々としている
２．漸く地際から腋芽が発生してきた。既に着袋も始まっているね～(^o^)／
３．地際から発生してきた腋芽に着いた最初の超ロアー。雰囲気はN.Trichocarpa
　　風だろうか(・・?
４．次に成長してきている捕虫嚢の赤ちゃん
５．こちらは主茎に着いた捕虫嚢だが、大分ショボくれているし、蓋も異常に小
　　さいね。リップはN.Trichocarpaと同様少しストライプが入る様だ

１．こちらから三枚は２０２２年２月７日に撮ったもので、こちらはこの時点で
　　の地際から発生してきた腋芽の様子。相変わらず生長は遅々としている
２．一つ前に着いた捕虫嚢。気温が低いせいか最悪レベル(^^;)
３．最新の捕虫嚢。更に小さくなったよ～(^^ゞ。写りが大分ボケててm(_ _"m)
４．こちらから三枚は２０２２年４月１５日に撮ったもので、こちらはこの時点
　　での株姿。若干リーフジャンプしてきているだろうか。主茎は力尽きてしま
　　った
５．最新の捕虫嚢。微々たるものだが僅かに大きくなった様な(・・?
６．次に生長してきた捕虫嚢の赤ちゃん。これから気温が上昇していくので、生
　　長を期待したいものである

１．こちらから五枚は２０２２年１０月２２日に撮ったもので、こちらはこの時
　　点での株姿。生長は遅々としており一向に大きくならないね～(^▽^;)
２．こちらは三つ前に着いた捕虫嚢。大分くたびれてきている様だ
３．二つ前に着いた捕虫嚢。若干赤味がかってきた感じだ
４．一前に着いた捕虫嚢。更に色合いは濃くなった様だ。両親に似ていないって
　　云うのも不思議なものだ(^^;
５．最新の捕虫嚢。更に色合いは濃くなった。葉身に押し付けられた感じで育っ
　　た様であまり大きくなれず中央部で一寸へしゃげている(^^ゞ

１．こちらから四枚は２０２３年８月２７日に撮ったもので、こちらはこの時点
　　での株姿。相変わらず生長は遅々としている( ﾉД`)ｼｸｼｸ…
２．二つ前に着いた捕虫嚢。一寸へしゃげている感じだね～(^^ゞ
３．一つ前に着いた捕虫嚢。若干ましになった様だ(^_^;)
４．最新の捕虫嚢。若干slenderぎみだろうか。それにしても殆どN.gracilisって
　　感じだね

１．こちらから五枚は２０２４年２月４日に撮ったもので、こちらはこの時点で
　　の株姿。相変わらず超不調の様である( ;∀;)
２．こちらは二つ前に着いた捕虫嚢。着袋率は１００％だが、全く以てショボい
３．左写真の捕虫嚢の次に着いた一つ前の捕虫嚢。めっちゃdirtyな色合いだね
４．こちらは最新の捕虫嚢。相変わらずショボい(;^ω^)
５．次に生長を始めた感じの蔓の先端部分。この低温下だが無事に完成するだろ
　　うか(・・?

１．こちらから六枚は２０２４年８月１４日に撮ったもので、こちらはこの時点
　　での株姿。異常過ぎる猛暑の連続で超不調になってきている
２．地際から希望の腋芽が発生し着袋が始まった。何とか立派に育って欲しいも
　　のである
３．こちらは現主茎に着いた最新の捕虫嚢。唯のN.gracilisって感じ(#^.^#)
４．左写真の捕虫嚢の次に生長してきた最新の捕虫嚢の赤ちゃん
５．地際から発生してきた腋芽に着いた超ロアーで、大きさは１ｃｍ程度しかな
　　い(^_^;)
６．左写真の捕虫嚢の次に生長してきた最新の捕虫嚢の赤ちゃん。若干大きくな
　　りそうな雰囲気だ

１．こちらから六枚は２０２５年２月２５日に撮ったもので、こちらはこの時点
　　での株姿。主茎はもう少ししたら力尽きそうである
２．現主茎に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん。漏斗型になりそうである。多分こ
　　れが最後の着袋になるかも(^_^;)
３．地際から発声してきた腋芽に着いた二つ前の捕虫嚢。出来は悪いが色合いは
　　やや濃いめって感じ
４．左写真の捕中嚢の次に着いた一つ前の捕虫嚢
５．左写真の捕中嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。色合いが急に褪せてきた様だ
６．左写真の捕中嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。こちらはSquat
　　な雰囲気になりそうである

１．こちらから五枚は本日２０２５年７月２９日に撮ったもので、こちらは現在
　　の株姿。相変わらず遅々としている(^-^;
２．こちらは現主茎に着いた一つ前の捕虫嚢(右側)と最新の捕虫嚢(左側)。僅か
　　な嚢内斑とリップのストライプがN.trichocarpa似の様である
３．地際から発生してきた腋芽に着いた一つ前の捕虫嚢。めっちゃショボいね
４．左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。一寸陰になって見辛いのはご容