本日は、N.adrianii[♀]×boschiana[♂]の交配‐その9について紹介します。

①交配番号 :NO.87
②交配親  :N.adrianii[♀]×boschiana[♂]
③交配日  :2019年1月9日
④採取日  :2019年6月12日
⑤播種日  :2019年6月13日
⑥発芽確認日:2019年11月5日

種子親のN.adrianiiはジャワ島の固有種とされ最近発見された品種ですが、スマトラ島の固有種であるN.spathulataとはとても良く似ている様です。唯、N.adrianiiの方が断然耐暑性があります。発見当時はそのsynonymと考えられていたそうです。標高1000m以上の高山に自生する着生種とされています。唯、特に癖は無く、猛暑の中でも殆ど暑がる事はありませんで、低地性の環境下でも30%程度の遮光をすれば全く平気です。ロアーはとても発色が良く美しいと思います。 
一方の花粉親のN.boschianaは1839年に記載された古い品種で、ボルネオ島南カリマンタンのSakumbang山に固有と言われていましたが、北側にあるBesar山でも発見されている様です。標高900~1800m辺りの低山の石灰岩性土壌等に自生するやや高地性種で、尾根や山頂付近の良く陽のあたる場所を好みます。この種は色合いがとてもシックで下腹部が瓢箪の様に膨らむ個体が多い様ですが、我が家の個体は結構スレンダーな感じです。
以上の両親を交配してみました。種子親であるN.adrianiiの花穂には二花しか咲きませんでしたが、タイミングよくN.boschianaが開花していましたので交配したところ、一鞘だけ結実しました。唯、結実までに結構時間を要しました。種子を採取して翌日に播種したのですが、これまた一向に発芽せずほったらかしになってしまっていました。
そして播種から五ヶ月弱経過した頃に確認したところ何時の間にかポツポツ発芽してきていました。発芽までに5ケ月弱要しましたが、一寸だけε-(´∀`*)ホッって感じでしょうか。気温が低下してきている時期でしたので、播種鉢のまま夜間無加温の場所で越冬させました。2020年4月になって漸く15個体セルトレイに上げました。その後ビニールポットに上げましたが生長は遅々としています。
その後2021年2月~4月に掛けて4号プラ鉢に鉢増ししましたが、相変わらず遅々とした生長です。唯、着袋率は100%ですので文句は言えないでしょうか(^_^)/。
今春も未だ爆発していません(^^ゞ。生長の暁には果たしてどんな感じの捕虫嚢ができるのか一寸楽しみですね(*^^*)。今回はNO-2、NO-4個体について取り上げたいと思います。下段写真左から、

1.種子親のN.adrianiiのロアー。N.spathulata程の幅広襟では無い様だが、
  フォルムは若干似ているだろうか。とても濃い色合いである
2.花粉親のロアー。本種は下腹部が膨らむ個体が多いが、我が家の個体はご
  覧の通りややスレンダーである(ノД`)
3.蒴果と種子。二花しか開花せず且つ結実したのは一鞘だけだったので、期
  待できなかったが、鞘を開いてみると思った以上に種子が詰まっていたよ
  ~(*^^)v。70%前後の結実だろうか

1.こちらから4枚は2019年11月8日に撮ったもので、こちらはこの時
  点での播種鉢内の様子。一寸見辛いがポツポツ発芽してきている様で、こ
  れからも未だ発芽してくれそうだね(*^^*)
2.播種鉢内の中央部やや右辺りをアップ。この画像では4芽確認できる
3.播種鉢内の中央の下部をアップ。5芽発芽が確認でき、発芽開始してあま
  り時間が経っていないので、多分このまま越冬することになるだろう

1.こちらから二枚は2020年4月17日に撮ったもので、この時点での播
  種鉢内の様。若干大きくなってきた様だ。僅かな種子しか採れなかったが
  思った以上に発芽率は高い様だ(^^)v
2.取り敢えず15個体をセルトレイに上げた

1.こちらから二枚は2020年5月3日に撮ったもので、4月17日にセル
  トレイに上げた個体のこの時点での様子。七割程度の個体で葉身が1枚展
  開してきている
2.残った播種鉢内の実生。残り13個体程あるので、近日中にセルトレイへ
  上げたいね~

1.こちらから四枚は2020年11月11日に撮ったもので、こちらから二
  枚はNO-1個体。こちらはこの時点での株姿。ん~ん、雰囲気的には一寸ば
  かりN.boschiana似の様な…
2.NO-1個体に着いた最新のロアー。未だ海の物とも山の物とも(^^;
3.こちらはNO-2個体の現在の株姿。NO-1個体と大差は無い様だ
4.NO-2個体に着いた最新のロアー。リップはNO-1個体よりやや細めの様な感
  じだ

1.こちらから四枚は2020年11月11日に撮ったもので、こちらから二
  枚はNO-3個体で、こちらはこの時点での株姿。大きさは大差ない
2.NO-3個体に着いた最新のロアー。他の3個体と比べ若干色合いが濃い感じ
3.こちらはNO-4個体の現在の株姿。こちらも他の3個体と大差は無い。唯、
  最新の葉身は若干リーフジャンプしてきそうな雰囲気(^'^)
4.NO-4個体に着いた最新のロアー。4個体の内で一番小さい。未だ本来の特
  徴は全然無いが来夏以降特徴が出てくるであろう。一寸楽しみ( ^ω^ )ニコニコ

1.こちらから三枚は2021年2月15日に撮ったもので、何れもNO-1個体。
  こちらは植替え前のピニールポット植えの株姿
2.植替えの為根鉢を外した状態。殆ど根は廻っていない様だ
3.4号プラ鉢にミズゴケで植付けた様子
4.こちらから三枚は2021年2月20日に撮ったもので、何れもNO-2個体。
  こちらは植替え前のピニールポット植えの株姿。NO-1個体と大差は無い
5.植替えの為根鉢を外した状態。こちらも殆ど根は廻っていない様だ
6.4号プラ鉢にミズゴケで植付けた様子

1.こちらから三枚は2021年4月2日に撮ったもので、何れもNO-3個体。
  こちらは植替え前のピニールポット植えの株姿
2.植替えの為根鉢を外した状態。殆ど根は廻っていない様だ
3.4号プラ鉢にミズゴケで植付けた様子
4.こちらから三枚は2021年4月6日に撮ったもので、何れもNO-4個体。
  こちらは植替え前のピニールポット植えの株姿。NO-1個体と大差は無い
5.植替えの為根鉢を外した状態。こちらも殆ど根は廻っていない
6.4号プラ鉢にミズゴケで植付けた様子

1.こちらから四枚は2021年6月2日に撮ったもので、何れもNO-1個体。
  こちらはこの時点での株姿。生長は遅いが若干大きくなったかな(・・?
2.一つ前に着いた捕虫嚢。色合いは赤黒いって感じだろうか
3.最新の捕虫嚢。更に色合いが濃くなった。種子親の赤味と花粉親の渋い色
  合いが上手く混ざっているのだろうか
4.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。この頃は未だ若干色合いが薄い
  様だ

1.こちらから四枚は2021年6月2日に撮ったもので、何れもNO-2個体。
  こちらはこの時点での株姿。NO-1個体と大して大きさに違いはない
2.一つ前に着いた捕虫嚢。N.boschiana風の柄が出ている感じ
3.最新の捕虫嚢。色合いは濃くなり、リップは結構グリーンっぽい
4.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。これは結構赤黒いかな(^^)v

1.こちらから四枚は2021年6月2日に撮ったもので、何れもNO-3個体。
  こちらはこの時点での株姿。NO-1、NO-2個体と比べ僅かに小さいかな
2.二つ前に着いた捕虫嚢
3.一つ前に着いた捕虫嚢。赤味が少し増した感じ。リップには僅かにストラ
  イプが見てとれる
4.最新の捕虫嚢。色合いは濃く、リップも全体的に赤く染まってきた

1.こちらから四枚は2021年6月2日に撮ったもので、何れもNO-4個体。
  こちらはこの時点での株姿。NO-3個体と比べ僅かに大きめかな
2.一つ前に着いた捕虫嚢。結構色合い派薄い雰囲気だね~
3.最新の捕虫嚢。一気に赤味が増した感じ。リップも赤味が強くなっている
4.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。この頃は未だ若干色合いが薄い
  様で、その分斑模様が目立つ感じ

1.こちらから六枚は2021年12月22日に撮ったもので、こちらから三
  枚はNO-1個体。こちらはこの時点での株姿。相変わらず生長は遅いが若干
  大きくなったかな(・・?
2.一つ前に着いた捕虫嚢。僅かにリップにはストライプが発現している
3.最新の捕虫嚢。こちらはストライプが確認できない。唯、色合いはとても
  濃い様だ
4.こちらから三枚はNO-2個体。こちらはこの時点での株姿。状態は何かイマ
  イチ良くない感じだが、コツコツと着袋はしてくれている様だ
5.一つ前に着いた捕虫嚢。リップにはストライプが見て取れる。後ろには最
  新の捕虫嚢の赤ちゃんが見える
6.こちらは最新の捕虫嚢。結構色合いが濃くなった様だ。これからの生長に
  期待したいものだね~(^^♪

1.こちらから六枚は2021年12月22日に撮ったもので、こちらから三
  枚はNO-3個体。こちらはこの時点での株姿。こちらは若干ましな感じ(^_^)/
  何れの個体も葉身は結構赤味がかっている
2.一つ前に着いた捕虫嚢。光の素減もあるがリップは白っぽい
3.最新の捕虫嚢。一寸ボケて見え辛いのはご容赦の程m(_ _"m)。一寸slender
  な感じ
4.こちらから三枚はNO-4個体。こちらはこの時点での株姿。この個体が一番
  調子悪そうだ( ノД`)
5.こちらは最新の捕虫嚢。リップには僅かにストライプが確認できる
6.次に生長してきた最新の捕虫嚢の赤ちゃん。もう少ししたら完成しそう(^^)

1.こちらから六枚は2023年1月28日に撮ったもので、こちらから三枚
  はNO-1個体。こちらはこの時点での株姿。何かかろうじて生きてるって感
  じだね
2.こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。超babyだね(^^;
3.最新の捕虫嚢。色合いは良い様だが一向に大きくなる気は無いらしい
4.こちらから三枚はNO-2個体。こちらはこの時点での株姿。この個体も調子
  はいたって悪い
5.一つ前に着いた捕虫嚢
6.最新の捕虫嚢。色合いはめっちゃdarkticだ(*^^*)

1.こちらから六枚は2023年1月28日に撮ったもので、こちらから三枚
  はNO-3個体。こちらはこの時点での株姿。4株の内では一番ましなようだ
2.一つ前に着いた捕虫嚢。結構slenderだね
3.最新の捕虫嚢。若干大きくなっただろうか。色合いは申し分ない。リップ
  には僅かにストライプが見て取れる
4.こちらから三枚はNO-4個体。こちらはこの時点での株姿。この個体も生長
  は遅々としている
5.一つ前に着いた捕虫嚢。これは中でも一番darkticな様だ。捕虫嚢は超ミ
  ニサイズだが…(^^ゞ
6.最新の捕虫嚢。蓋が開いて間もない様で、色合いも若干薄めだがこれから
  少しは濃くなってくれるだろう

1.こちらから六枚は本日2023年12月21日に撮ったもので、こちらか
  ら三枚はNO-2個体。こちらは現在の株姿。相変わらず生長は遅々としてお
  り爆発する気配は全然ない(;^ω^)
2.一つ前に着いた捕虫嚢。結構darkticな渋い色合いだ(*^^*)
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。出来たばかりで艶々感がある
4.こちらから三枚はNO-3個体。こちらは現在の株姿でNO-2個体と同様殆ど生
  長する気が無い様だ(^_^;)
5.一つ前に着いた捕虫嚢。色合いは渋くややslenderな雰囲気だ
6.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。色合いが赤黒いので判り辛い
  が、結構N.boschianaの遺伝が出ているようで、沢山の斑模様が発現して
  いる

1.こちらから六枚は2024年6月28日に撮ったもので、何れも新温室内
  で管理している。こちらはNO-1個体に着いた最新の捕虫嚢。色合いは良い
  がこの個体は全く大きくならない( ノД`)シクシク…
2.NO-2個体に着いた最新の捕虫嚢。色合いはややdarkticでリップのストライ
  プは見え辛い
3.NO-3個体に着いた最新の捕虫嚢。こちらはslenderで色合いも薄いがその分
  斑模様が良く映える
4.NO-4個体に着いた最新の捕虫嚢。色合いは濃く雰囲気的にはN.adrianiiに
  似る様である。僅かにリップに角張が表れてきただろうか
5.NO-5個体に着いた最新の捕虫嚢。NO-2個体に似た感じだ
6.NO-6個体に着いた最新の捕虫嚢。形状はNO-3個体に良く似ている様だが色
  合いはこちらの方が濃い

1.こちらから五枚は2024年12月23日に撮ったもので、何れもNO-2個
  体。こちらはこの時点での株姿だが一向に大きくなってないね~(^_^;)
2.こちらは左写真の個体に着いた二つ前の捕虫嚢。色合いはまあまあ良い感
  じだろうか
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた一つ前の捕虫嚢。何かめっちゃドス黒い色合
  いになった
4.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。出来立てで色合いはやや薄い
5.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。この時期は
  概してグリーン一色になることが多いかな

1.こちらから五枚は2024年12月23日に撮ったもので、何れもNO-4個
  体。こちらはこの時点での株姿。主茎は一寸力が無くなりつつある様だが
  地際から腋芽が発生し少しずつ大きくなってきており、既に着袋が始まっ
  ている
2.こちらは現主茎に着いた一つ前の捕虫嚢。大分じょぼいね(;^ω^)
3.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。リップがグリーン一色だね~
4.地際から発生してきた腋芽に着いた二つ前の捕虫嚢
5.左写真の捕虫嚢の次に着いた一つ前の捕虫嚢。僅かながらぽっちゃりぎみ
6.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。比較的darkticな様だ

1.こちらから六枚は本日2025年5月13日に撮ったもので、こちらから
  三枚はNO-2個体。こちらは現在の株姿だが相変わらずである
2.こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。ミニサイズではあるが色合いは結構良い
  感じ(*^^*)
3.左写真の捕中嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。若干大きくなった様だ。出来
  て間もないため色合いは若干薄いが時間が経つともっと濃くなる
4.こちらから三枚はNO-4個体。こちらは現在の株姿。地際から腋芽が発生し
  生長してきたので現主茎は勢いがなくなってきている。唯、着袋は良いね
5.こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。こちらも色合いは結構濃いね~!(^^)!
6.左写真の捕中嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。こちらも出来て間もないため
  色合いは薄い

 

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