本日は、(N.Prosperity×viking Red系)×(mirabilis-winged×veitchii)の交配‐その5について紹介します。
①交配番号 :NO.38
②交配親 :(N.Prosperity[♀]×viking var boatform sib Red系)×
(mirabilis-winged×veitchii)[♂]
③交配日 :2018年10月4日
④採取日 :2019年1月15日
⑤播種日 :2019年2月6日
⑥発芽確認日:2019年4月12日
種子親の母方であるN.Prosperityは、以前フランスのマルセル・ルクーフから輸入したN.Dicksonianaの種名が付いたN.mirabilis(以前N.mirabilisのsynonymと言われていたN.anamensis?)の交配種らしい不明種ではないかと記された文献もありましたが、故久保氏ご本人によるとN.mirabilisであったと述懐されていた様です。まあ、何れにせよN.mirabilis系で間違いはないのでしょうかね。1977年に氏がN.Dyerianaを交配して作出された品種で、ややN.Dyeriana寄りです。嚢は大きくなりますが、襟はN.Dyeriana程ではありません。
種子親の父方であるN.viking var boatform ×sib Red系は、ぷりんさんが作出されたboatformのsib-crossで、そこそこの大きさで結構濃い赤色で、嚢はやや縦長の形になります。とても着袋率が高く腋芽発生しやすく結構ブッシュ状になり見ごたえ満点の優良種です。そして本種は、以上の二品種を我が家で交配した種子親になります。
一方花粉親のN.mirabilis-winged×veitchiiは、種子親のwingの形質をとても良く顕性している様で、蔓のヒダヒダがとても良く目立ちます。リップは花粉親のN.veitchii程ではありませんが、ある程度広くなる様です。唯、色合いはグリーン一色でストライプが入るでもなく、柄が入るでもなくシンプルで翼以外の芸はありません。
以上の個体同士を掛け合わせしました。多分色合いは落ちるかと思いますが、翼が顕性し目立つ個体を目指しました。果たしてどんな子になってくれるでしょう(*^^*)。
雌花の数は少なかったのですが、まあそこそこ種子は採取できました。発芽は概ね2ヶ月程度でした。最初僅かに発芽したのは良いのですが、その後遅々として発芽せずの状態でしたが、その後発芽の始まったばかりの物もチラホラ窺えました。唯、その後の生育が非常に悪く、結果的には4個体のみ辛うじて生き延びていましたが、最終的には最初に4号プラ鉢に植え替えた個体のみ残しています。
最大の特徴であるウイングは少し発現してくれている様ですが、どうも夜温の低い時期と猛暑にはヘタリ気味となり調子が非常に悪くなる様です。これから徐々に気温が低下してきますので、初冬辺りまでは調子を取り戻してくれるでしょうか。これからの生長に期待したいものです。下段写真左から、
1.種子親のN.Prosperity×viking Red系、色合いは結構viking Red系の遺伝
が強い様だが、大きさは一寸イマイチである
2.花粉親のN.mirabilis-winged×veitchii、翼は種子親にとても似ておりヒ
ダヒダが非常に良く目立つが、色合いはほぼグリーン一色でN.veitchiiの
襟が心なしか発現している
3.本種の蒴果と種子。雌花自体が少なかったが、結実は比較的良かった
1.こちらから二枚は2019年4月12日に撮ったもので、こちらはこの時
点での播種鉢内の様子。判り辛いが1芽発芽している様である
2.発芽の様子をアップ。これ以外にも少し発芽が始まっている種子もある
3.2019年5月10日、播種鉢内の様子。やっとボチボチ発芽してきてい
る
1.こちらから四枚は2019年8月17日に撮ったもので、こちらはこの時
点での播種鉢内の様子。5月10日以降大した変わりは無いように見える
が、今になって発芽が始まっている種子もチラホラある
2.播種鉢内の右側をアップ。中央部は発芽したばかりで未だ双葉だが、左の
実生は本葉が展開し始めている
3.播種鉢内の左側をアップ。3芽は本葉が展開してきており、1芽は双葉が
展開し始めているところかな
4.播種鉢内の下部をアップ。2芽共に本葉が展開してきている
1.こちらから三枚は2020年7月4日に撮ったもので、セルトレイに植付
けている5個体の様子。多分4月か5月頃セルトレイに植付け他と思うが
その時のデータが無かった。撮るのを失念していたのかもしれない。発芽
はボチボチだったが、その後の生育が非常に悪く、結局この5個体のみ残
っている。真中の縦5個体が本種
2.上の2個体をアップで撮ったところ。赤味の強い個体になってくれるかも
ね(^'^)
3.下3個体をアップで撮ったもの。真中の個体が一番成長が良い様である。
と云ってもショボい状態ではあるが…。5個体のみだが何とか2~3個体
は残って欲しいもの。果たしてウイングは再現するだろうか。来夏辺り少
しずつ本領を発揮してくれればと思う
1.こちらから二枚は2020年10月15日に撮ったもので、NO-1個体の捕
虫嚢をアップしたところ。こちらは一つ前に着いた捕虫嚢。一間何の変哲
もない様だが、何とよく見ると襟元にネク・タイを結んでいるではないか。
偶々かと思ったが他もロアーも殆ど同様であり、ある程度形質が固定して
いる様だ。以前書籍「無憂草」の57頁に掲載されているN.northianaのボ
ウ・タイを思い出した
2.NO-1個体の最新の捕虫嚢。ネク・タイもさることながら、蓋も異常に大
きい(^^)/
3.こちらから三枚は2021年3月8日に撮ったもので、こちらはこの時点
での株姿。30%程度遮光しているのだが葉身が異常に赤い
4.植替えの為根鉢を外したところ。根量は少ない様だ5.
5.4号プラ鉢にミズゴケで植付けた様子。今春以降の成長に期待したい。果
たしてネク・タイのその後は(・・?、ウイングの再現は(・・?
1.こちらから六枚は2021年3月29日に撮ったもので、こちらはこり時
点での株姿。未だ植替えから3週間しか経過していないので大した変化は
無い
2.最新の捕虫嚢。僅かだが薄んぐが有る様な…^^;。このアングルだと一寸
ネク・タイは判らないが形跡程度にはある様だ
3.次に生長を開始した捕虫嚢の赤ちゃん。ウイングが形成されている雰囲気。
よく見るとネク・タイも痕跡はある感じだ
4.NO-2個体のこの時点での株姿。これも随分葉身が赤い。未だ特徴は良く掴
めない
5.NO-3個体のこの時点での株姿。特徴はこれから出てくる筈だが、地際から
の腋芽は既に発生し
てきている様だ
6.NO-4個体のこの時点での株姿。最悪の状態だね^^;。果たして今春以降無
事に生長してくれるだろうか
1.こちらから三枚は2021年6月22日に撮ったもので、こちらはこの時
点での株姿。徐々に草体は大きくなってきている様だ
2.こちらはこの時点での最新の捕虫嚢。darkticな色合いになってきている
様だ
3.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。何か蓋が異常に大きい様な気が
するが…
4.こちらから二枚は2021年8月15日に撮ったもので、こちらは最新の
捕虫嚢。リップが更に色濃くなってきているね~(^^♪。それに蓋の形状
が一寸…
5.蓋の部分をアップしたところ。めっちゃ面白い形状だ。こんなのは初めて
見たよ~
1.こちらから六枚は2022年3月19日に撮ったもので、こちらはこの時
点での株姿。全くと云って良い程生長していない。低温には非常に弱そう
だ。これからの気温上昇に伴いグングンと育って欲しいものだ
2.調子が悪いにも関わらず地際から既に腋芽が発生してきており、着袋も始
まっている
3.主茎に着いた最新の捕虫嚢。愚図っているせいか嚢もめっちゃショボい。
唯、リップにはストライプが見てとれる
4.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん。相変わらず蓋の形状は独特だ
5.地際から発生した腋芽に着いた一つ前の捕虫嚢
6.同じく地際から発生した腋芽に着いたもので最新の捕虫嚢。やはり蓋は異
常に大きく三度笠の様だ(^^ゞ
1.こちらから六枚は昨日2024年8月28日に撮ったもので、こちらは現
在の株姿。主茎は力尽きそうになってきたが地際から発生してきた腋芽が
少しずつ生長してきた
2.現主茎に着いた二つ前の捕虫嚢。蔓には若干のリブが確認できる
3.左写真の次に着いた一つ前の捕虫嚢。色合いはN.Prosperityに良く似る
4.左写真の次に着いた最新の捕虫嚢。相変わらず蓋が盃の様で思白い(*^^*)
5.地際から発生してきた腋芽に着いた一つ前の捕虫嚢。これは珍しく普通の
蓋である(^_^;)
6.左写真の次に着いた最新の捕虫嚢。こちらは逆に蓋が完全に欠損している
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