本日は、N.viking var boatform ×sib(Green系)×(gracilis×khasiana)の交配‐その11について紹介します。

①交配番号 :NO.50
②交配親  :N.viking var boatform ×sib(Green系)[♀]×(gracilis×khasiana)[♂]
③交配日  :2014年10月2日
④採取日  :2015年2月3日
⑤播種日  :2015年2月3日
⑥発芽確認日:2015年3月25日

種子親は、N.viking var boatform同士を掛け合わせたsib-crossで、ぷりんさんが作出されたものを2010年9月に分譲していただいたものです。嚢付きが良く、比較的大きくなり見応えがあります。それにN.vikingは兎に角花付きが良く種子がとても充実する傾向にありますので、交配親としてとても重宝します。
一方種子親は、N.gracilis×khasianaの交配で、草姿や補虫嚢は種子親のN.gracilisに良く似ますが、大きさはN.khasiana譲りの様です。ロアーからアッパーまでとても濃い色合いになり、嚢の下部がぽってりと膨らんだ感じになります。両親の特徴を受け持ち、低温、高温に強い強健種です。
この2種を交配してみました。コンセプトとしては、やはり両親の強健さを引き継いだ品種である事、N.vikingの風体にN.gracilis×khasianaの色合いが上手い具合に発現してくれたらと思っています。発芽から四年7ケ月経過しましたが、今のところはN.gracilis×khasianaが顕性遺伝でしょうか、花粉親に良く似ている様です。
最初の発芽は3月25日1芽だけでしたが、その後うんともすんとも言わず全く発芽しませんでしたので、諦めていました。それが何時の間にか、あらま~あっちこちから発芽してきているではあ~りませんか。\(◎o◎)/!もう一度播種し直そうと思っていたところでした。今回手抜きをして殺菌せずに播種しましたが何んとかセーフでした。本来きちんと殺菌して播種しないといけませんよね(* ̄▽ ̄)フフフッ♪。
現在数個体を維持していますが、何れの個体も♂でした。それぞれの個体は多少の差はあれ保々似たり寄ったりの様です。又、何れの個体も地際からのグランドもどき、腋芽の発生がとても良く、植生からN.gracilisの遺伝が顕性であることを如実に表していると推断します。下段写真左から、

1.種子親のN.viking(Green系)系。N.vikingにしては赤みが少なく、嚢が
  グリーンで翼が臙脂色、リップがやや赤く染まる感じで、形はやや縦長
  となるが、比較的大きな嚢を付けてくれる
2.こちらが種子親のN.gracilis×khasianaのロアーで、色合いはとっても
  dark。着袋させるには多少高温が必要だが、春から秋にかけては次々と
  着袋してくれる。草勢は強く良く伸びる。又、N.gracilisの様にグラン
  ドもどきが発生する
3.こちらは同アッパーだが、色落ちしないのがgood!で、嚢の下腹部がポ
  チャっと膨らむのも魅力的
4.蒴果と種子。画像では一部の種子しか写していないが、結構沢山採れ結
  実状態はとても良かった

1.こちらは2015年4月11日に撮ったもの。3月25日に1芽発芽し
  て以降全く無しの礫だったのですっかり諦めていたが、再度確認してび
  っくりした。何時の間にか沢山発芽してきていた
2.一寸拡大したものだが、これが限度。あちらこちらに種実の部分から背
  虫状の双葉が展開し始めている
3.2015年7月13日、播種鉢内の様子。ボチボチ発芽し本葉が展開し
  初めてきた
4.同7月13日、セルトレイに第一陣として20個体植付けた様子
5.こちらは2015年10月30日に撮ったもので、大きいものはやっと
  直径3cm程度になった。しかし、個体差が激しく全然大きくなってい
  ないものもある。これから気温が低下していくので、生長は来春以降に
  お預けか

1.2015年11月11日、未だ小さな実生だが、先発として5個体をビ
  ニールポットに上げた
2.2016年3月15日、鉢上げから4ヶ月少々経過したが、冬場の低温
  により一向に生長しなかった。唯、最近になって少しずつ生長の兆しが
3.こちらから三枚は2016年4月12日に撮ったもので、漸く春めいて
  徐々に暖かく
  なってきたせいか、少しずつ成長してきている。新しく展開してきた葉
  身もやや大きくなってきてるかな(・・?って感じ。今シーズンで直径1
  0cm程度を目標にしたい(^▽^)/
4.こちらは補虫嚢をアップしたもの。未だ葉身の一部で蔓になるまでには
  もう少しかかりそう
5.こちらは別の捕虫嚢。ややポチャの感じだが特徴は全然ですな~。どん
  な感じに育ってくれるのか楽しみ
6.2016年6月17日、気温も大分上昇しボチボチ生長してきた。光線
  量も増やしているので、がっちりとしてきたぞ~

1.こちらから三枚は2016年8月4日に撮ったもので、ビニールポット
  からはみ出してきた個体を、4号ブラ鉢に鉢増しする事とした。鉢増し
  た最初のものでNO-1個体として管理する
2.こちらは4号ブラ鉢に鉢増しした状態
3.最新の捕虫嚢。中々にdarkticな感じだね~(*^-^*)
4.2016年9月3日、戸外で直射バンバン状態なので、結構葉が赤くな
  っているが特に問題なく生長している様である
5.こちらから三枚は2016年10月4日に撮ったもので、急に葉身が倍
  以上の大きさになってきたよ~~
6.手前は一つ前にできた嚢で、奥は三つ前にできたもの
7.こちらは最新の捕虫嚢。どうもN.gracilisが優性遺伝(顕性)の様である

1.こちらから8枚は全てNO-1個体。こちらから三枚は2016年12月17
  日に撮ったもので、こちらはこの時点での株姿。4号ブラ鉢に植替えて4
  ヶ月少々経過し、少しずつだが大きくなった。最新の葉身は結構ジャンプ
  している感じ
2.最新のロアー。結構濃いめの色合い
3.こちらは一つ前のロアー。中々渋い感じの色合いだが、気温の低下と共に
  サイズはダウンしている
4.2017年1月19日、随分スレンダーな感じで、色合いも赤っぽくなっ
  た様だ
5.2017年2月11日、ややポチャな感じで、明るい色合いに僅かながら
  斑模様が入る
6.こちらから三枚は2017年4月3日に撮ったもので、こちらはこの時点
  での株姿。ほぼ直射なので葉は結構赤くなっている。本種は高温が好みな
  のでこれからググッと生長してくれる筈
7.左から五枚目写真の嚢のその後。随分赤味が濃くなってきた
8.こちらは最新のロアー。花粉親であるN.gracilis×khasianaにとても良く
  似た色合いが良い感じ

1.2017年5月10日、嚢表面の濃い色合いと内壁のグリーンが良い感じ
2.2017年5月26日、微かに斑点が入っているのが分かる
3.2017年6月8日に撮った捕虫嚢達
4.2017年8月21日、既にミドル辺りであろうか。翼は欠落しているが
  色合いは未だ濃い状態
5.こちらから四枚は2017年10月5日に撮ったもので、こちらはこの時
  点での株姿。ボチボチ徒長してきているのと既に花穂が上がってきた
6.花穂をアップしたところ。未だ萼片は完全に開いていないが、中から黄色
  い花粉袋が覗いている
7.やっと地際から腋芽が発生してきた。2芽発生しロアーが着き始めた。未
  だ蔓にはなっておらず、実生同様葉身先端がそのまま嚢になっているイメ
  ージ
8.既にアッパー気味になってきた様で、翼は殆ど欠落している。雰囲気的に
  は色合いが濃いだけで、風貌はアラータに良く似てきた感じがする

1.こちらから六枚は何れもNO-1個体。こちらは2017年11月21日に撮
  ったもので、株元から腋芽が発生してきた
2.2018年1月7日、地際からのの腋芽が徐々に大きくなり、ボツボツ着
  袋してきている
3.こちらから四枚は2018年4月3日に撮ったもので、こちらはこの時点
  での株姿。主茎が60cm程度まで伸びてきた
4.株元の様子。大分にぎやかになってきたよ~(((o(*゚▽゚*)o)))。この姿は
  まさしくN.gracilisの植生の様だ
5.左写真の反対側から撮ったもの。鉢内でオシクラ饅頭状態(^'^)
6.こちらは主茎に着いたアッパー寄りの捕虫嚢。N.khasianaの雰囲気プンプ
  ン(*^^*)

1.こちらから三枚は2016年9月6日に撮ったもので、二番目に大きくな
  ってきたビニールポット植えのものでNO-2個体として管理することにした
2.こちらはNO-2個体を4号ブラ鉢に鉢増しした状態
3.未だ、特徴は出ていないが、雰囲気的には花粉親の、特にN.gracilisに良
  く似た感じである
4.こちらから三枚は2016年10月4日に撮ったもので、何とか活着して
  くれた様だね。新葉も展開してきている。ε-(´∀`*)ホッ
5.こちらは一つ前にできた捕虫嚢
6.こちらは最新の捕虫嚢。現時点では交配番号NO.04のN.viking var boatform
  sib×gracilis dark-purpleに良く似ている。唯、こちらの品種はN.khasiana
  の血が入っているせいか、一回りは大きくなってくれている様だ。今後の
  大きさにも期待したいところ(ΦωΦ)フフフ…。果たしてどんな生長をしてく
  れることやら(*^^)v

1.こちらから8枚は全てNO-2個体。こちらから二枚は2016年12月17
  日に撮っものでこちらはこの時点での株姿。4号ブラ鉢に植替えて3ヶ月
  少々経過したもの
2.NO-1個体と同じ環境下で育てているが、こちらは大分色合いが薄い
3.こちらから二枚は2017年3月4日に撮ったもので、こちらのロアーは
  未だ色合いは薄いが、嚢の下腹部がポチャっとしているのが愛らしい
4.こちらは最新の捕虫嚢。やはり下腹部がポチャっとしている。どうも安定
  してこんな感じになってくれている感じ(^O^)
5.2017年3月31日、徐々に色合いが濃くなっていく雰囲気だね~
6.こちらから三枚は2017年4月3日に撮ったもので、こちらはこの時点
  での株姿。NO-1個体と同一環境下だが、葉身はあまり赤くはならない。気
  温の上昇で最新の葉身は少しジャンプアップしてるかな
7.こちらは最新のロアー。やはり下腹部のぽっちゃりが良い感じで魅力的か
  な
8.最新の成長途中の捕虫嚢。何となく濃い色合いに染まってきそうだよ(^o^)

1.こちらから8枚は全てNO-2個体。こちらは2017年5月3日に撮ったも
  ので、ロアーは下腹部がぽってりと膨らみ花粉親に似る  
2.こちらから二枚は2017年5月23日に撮ったもので、右の捕虫嚢は出
  来立てで、艶々感があって良い
3.こちらは出来て既に1ヶ月以上経過したロアー
4.2017年6月7日、右の捕虫嚢はできて間もないもので、出来立ての頃
  はこの様にリップがグリーンだが、徐々に赤く染まっていく
5.こちらから四枚は2017年10月5日に撮ったもので、こちらはこの時
  点での株姿。NO-1個体より成長は遅い様だが、腋芽の発生、生長は中々良
  い感じである
6.地際から発生した腋芽とそれに着いた捕虫嚢達。一寸判り辛いが腋芽は3
  芽発生しており11個程ロアーが群がっている状態
7.一つ前に出来たロアーを掌に取ってみた。大きさ的にはこれがMaxだろ
  うか(・・?
8.こちらは全て主茎に着いたロアー達

1.こちらから五枚は2018年4月3日に撮ったもので、何れもNO-2個体。
  こちらはこの時点での株姿。主茎が徒長を開始している。腋芽も4芽生長
  してきており賑やかになってきた
2.側面よりから撮ったもので、ほんの少し鈴なりといったところかな(^_-)
3.主茎に着いた最新の補虫嚢
4.主茎に着いた一つ前の補虫嚢
5.主茎に着いた二つ前の補虫嚢

1.こちらから八枚は何れも2018年4月3日に撮ったもので、こちらから
  四枚は何れもNO-3個体。こちらはこの時点での株姿。未だ主茎は徒長して
  いないが、既に腋芽が3芽発生している
2.側面から撮ったもので、チョロチョロ補虫嚢が着き始めた
3.捕虫嚢達をアップで撮ったところ
4.こちらは主茎に着いた最新の捕虫嚢。ややスレンダーぎみだろうか。下腹
  部の膨らみが良い感じ(^^♪
5.こちらから四枚はNO-4個体。この個体は未だ小さく腋芽も発生していない
6.こちらは一つ前に着いたロアーだが、この色のグラデーションが何となく
  良い感じで花粉親に似る
7.こちらは最新のロアー
8.こちらは生長途中の捕虫嚢の赤ちゃん

1.こちらから二枚は2018年6月7日に撮ったもので、こちらは地際の様
  子を上方向から撮ったもの。グランドから腋芽になって次々と着袋してい
  る
2.左写真の様子を正面寄りから撮ったもの。中々良い感じ(^^♪
3.こちらから二枚は2018年6月28日に撮ったもので、こちらは出来て
  少し時間が経ったロアー。結構ズングリむっくりで色合いは濃い
4.生長途中の捕虫嚢の赤ちゃん。雰囲気的にN.Mastersiana var.purpureaの
  それに似る

1.2018年10月8日、ロアーからミドル寄りだろうか、大分slenderな感
  じだ
2.2018年10月21日、形といい色合いといい一寸好みかな(;'∀')
3.2019年1月15日、すらっとした嚢姿は一寸glamorousな感じだろうか
  ( ^)o(^ )

1.こちらから三枚は2019年10月11日に撮ったもので、この個体は最
  後に4号プラ鉢に鉢上げした個体で、やっと地際からグランドもどきが沢
  山出てきたよ~(*^^)v
2.左写真の個体のアッパー。色合いは殆ど無くなる
3.既に雄花が咲き始めていた

1.こちらから三枚は2019年10月11日に撮ったもので、こちらは地際
  の腋芽が少しずつ生長してきて、それに着袋している様子
2.左写真の個体のミドル寄りの捕虫嚢
3.こちらは別の個体のもので、右は完成したミドル辺りの捕虫嚢。花粉親に
  似て蜜腺がとても多い。左はミドルからアッパー寄りだろうか、色あいは
  大分薄くなりつつある

1.こちらから六枚は本日2021年5月25日に撮ったもので、こちらはこ
  の時点での株姿。温室から引っ越す際枝が邪魔になり少しカットした
2.左写真の個体の地際をアップ。グランドもどきがニョキニョキと発生し始
  めた。用土表面が黒いのは全て本種の根(^^ゞ。随分植替えていないので
  植え替えたいのは山々だが、植替えると爆発するので一寸躊躇している
3.一番大きなロアーをアップ。全盛期と比べ一寸色合いが薄いかな
4.小さなロアーと生長途中のロアーの赤ちゃん
5.徒長枝に着いた一つ前のアッパー。随分とショボくなったね~(^^;)
6.徒長枝に着いた最新のアッパー

1.こちらから二枚は2021年5月13日に撮ったもので、こちらはこの3
  月2日に上段写真の個体の頂芽枝を挿し木にしたもので、既にボチボチ発
  根してきていたので鉢上げする事にした
2.2.5号ビニールポットにミズゴケで植付けた様子
3.こちらから四枚は2021年5月25日に撮ったもので、こちらは左写真
  の挿し木苗のこの時点での様子。大きめの葉身が展開してきたので、活着
  しつつあるかな(^^)v
4.こちらは残している別の選抜個体の様子。既に主茎はカットし、地際から
  発生してきた腋芽2芽で仕立て直し中
5.ボチボチ着袋してきたよ~(^_-)-☆
6.次に生長してきている捕虫嚢の赤ちゃん

1.こちらから六枚は2023年9月29日に撮ったもので、こちらはこの時
  点での株姿。既に2年以上ほったらかしになっていた様で個体管理ができ
  ていなかった様だ
2.既に主茎は朽ち地際から何回か腋芽が発生。こちらは徒長してきている現
  主茎に着いた一つ前の捕虫嚢。色合いは大分薄くなっている
3.左写真の捕虫嚢のその後に着いた最新の捕虫嚢。艶々感がある様だね~
4.次に徒長してきている腋芽に着いた二つ前に着いた捕虫嚢。既に一寸dirty
  ぎみだ(;^ω^)
5.左写真の捕虫嚢のその後に着いた一つ前の捕虫嚢。若干色合いが濃いか?
6.左写真の捕虫嚢のその後に着いた最新の捕虫嚢。これから更に徒長すると
  色合いは殆ど抜けてくるので、早晩次の腋芽を待ちたい

1.こちらから六枚は本日2024年8月20日に撮ったもので、何れも新温
  室内で管理している個体。こちらは1m弱徒長した現主茎に着いた一つ前
  の捕虫嚢。比較的slenderな個体
2.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢
3.こちらは地際から発生してきた腋芽が50cm程度徒長した枝に着いた一
  つ前の捕虫嚢
4.左写真の捕虫嚢の次に着いた最新の捕虫嚢。枝が細く捕虫嚢も小さい(^^ゞ
5.現主茎の地際から40cm程度の個所から発生してきた腋芽に着いた最新
  の捕虫嚢。最新の割には一寸dirtyだ(#^.^#)
6.左写真の捕虫嚢の次に出来つつある最新の捕虫嚢の赤ちゃん。もう間もな
  く完成しそうな感じになってきた

 

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