本日は、N.Prosperity×(mirabilis-winged×veitchii)の交配‐その4について紹介します。
①交配番号 :NO.80
②交配親 :N.Prosperity[♀]×(mirabilis-winged×veitchii)[♂]
③交配日 :2018年10月5日
④採取日 :2019年1月22日
⑤播種日 :2019年3月10日
⑥発芽確認日:2019年5月17日
種子親のN.Prosperityは、以前フランスのマルセル・ルクーフから輸入したN.Dicksonianaの種名が付いたN.mirabilis(以前N.mirabilisのsynonymと言われていたN.anamensis?)の交配種らしい不明種ではないかと言われていましたが、ご本人によるとN.mirabilisであったと述懐されていたそうです。1977年に故久保春人氏によってこの種とN.Dyerianaを交配したものです。
一方花粉親のN.mirabilis-winged×veitchiiは、種子親のwingの形質をとても良く顕性している様で、蔓のヒダヒダがとても良く目立ちます。リップは花粉親のN.veitchii程ではありませんが、ある程度広くなる様です。
今回、N.Prosperityにヒダヒダが発現しそうな品種を交配してみました。ややピンク色っぽい感じでwingが入ってくれたら面白いのではないかと思っています。本来であれば我が家のN.mirabilis-wingedと交配したかったのですが、一向に開花しないので、本種との交配に切り替えました(^^;。
結実はまあボチボチ50%程度といったところでしょうか。本種も採取したのは良かったのですが、失念してしまっており1ヶ月以上経って漸く播種しました^_^;。低温期でしたが、2ヶ月少々で発芽してきました。何とか思惑通りの個体が少しでも出てくれたらと、私祈ってます~♪。
唯、その後の発芽は芳しく無く又、発芽後の生育も愚図り気味で一向に大きくならず、結局3個体のみとなってしまいました。この4月にビニールポットに上げましたが、果たして無事に大きく育ってくれるでしょうか。一寸不安ではありますが…。
本日現在の株を確認する限り、NO-2個体のみwingが発現している様です。唯、これから消えてしまうのか、更に立派になってくれるのかは誰も分かりません(^-^)。これからの成長に期待したいと思います。下段写真左から、
1.種子親のN.Prosperity、嚢の大きさは30cm前後になるが、N.Dyeriana程襟の発
達は無い。色合いはやや赤みが強い。種小名は、繁栄、成功といった意味合
で、作出者の思いが込められている様に思う
2.花粉親のN.mirabilis-winged×veitchii。雰囲気は両親を足して二で割った感じだ
ろうか。唯、フリルはとても良く発現してくれている様である。それとリップもやや
N.veitchiiに似る
3.蒴果と種子。結実は程々50%程度であろうか
1.こちらから三枚は2019年5月29日に撮ったもので、こちらはこの時点での播種
鉢内の様子。一寸判り辛いがポツポツ発芽してきている
2.少しアップで撮ったところ。4芽程確認できる
3.別の個所をアップ。こちらは12芽程確認できる。順調にいけば初秋辺りにはセル
トレイに植付け出来るかも(^^♪
1.こちらから三枚は2020年4月29日に撮ったもので、こちは一番成績の良い個
体(と言っても全くの代物ではあるが…)で、NO-1個体として管理する
2.こちらは出来の悪い個体で、NO-2としてて管理
3.こちらは一番出来の悪い個体で、NO-3として管理する。本種は発芽も大して良く
無かったし、その後の成長も全くと云って良いほど駄目で、この3個体のみ残った。
何とか大きくなってリブの発現を期待したいものである
1.こちらから六枚は2020年6月17日に撮ったもので、何れもNO-1個体。こちらは
この時点での株姿。中々大きくならないが何とか着袋はしている様である
2.発芽して本葉から既に10枚以上葉身が展開した状態。最初の頃は5mmにも満
たないので判り辛いため、これ位の大きさのものを撮った。この時点でも見た目は
未だ葉身そのものであるが、既に葉身の先端部分が壺状葉を呈していて、既に蓋
も良く判る。この蓋の先端部分が葉身先端だと云われている
3.上写真の葉身の次に展開した葉身。未だ葉身と捕虫嚢は一体で、見た目は葉身
そのものといったところだが、捕虫嚢は寝そべった状態から若干立ち上がってきた
4.次に展開したもので、葉身と捕虫嚢の境が徐々に細くなってきているが、未だ合
着した状態である
5.次に展開した葉身。一寸判り辛いいのはご容赦の程m(_ _"m)。葉身と捕虫嚢が分
離したが、基部は未だぴったりとくっついた感じ
6.次に展開してきた葉身と蔓の先端部分。捕虫嚢は未だ成長途中であるが、完全に
分離し超短い蔓が形成された。これ以降はご存知の通りの形態となるので割愛さ
せていただく。残念ながら今のところは普通の形態そのものになりそうである。唯、
化けてくれることを期待したいのだが…
1.こちらから六枚は2020年10月15日に撮ったもので、こちにはNO-1個体のこの
時点での株姿。この時点でwingは再現していない様である
2.こちにはNO-2個体のこの時点での株姿。NO-1個体よりも若干大きくなった様だ。
この個体はこの大きさになってもwingが発現しているので、一寸期待できるかも
\(~o~)/
3.NO-2個体の葉身と捕虫嚢の合着部をアップ。こちらは一つ前に出来たもので、明
らかにNO-1個体と違ってwingが残っている
4.NO-2個体に着いた最新のもので、その合着部をアップしたところ。雰囲気的に
wingは残ってくれそうだが果たしてどうなるか楽しみである
5.こちにはNO-3個体のこの時点での株姿。こちらは相変わらずチマチマ状態の成
長で中々大きくならない。唯、この時点でwingは消えてしまっている
1.こちらから三枚は2021年4月22日に撮ったもので、何れもNO-2固体。こちらは
植替え前のビニールポット植え個体の様子
2.植替えの為根鉢を外したところだが、根はさほど廻っていない
3.4号プラ鉢にミズゴケで植付けたところ。何とか大きくなって欲しいものだ
1.こちらから四枚は本日2021年6月16日に撮ったもので、何れもNO-2固体。こち
らは現在の株姿。やっとリーフジャンプが始まった様だ
2.既に株元から腋芽が発生している様で、既に着袋している。これは結構wingが
顕著だが、唯単に最初の頃だからだろう
3.こちらは主茎に着いた一つ前の捕虫嚢。判り辛いが若干wingらしきものはある様
だ
4.同じく最新の捕虫嚢。このリーフスパンになっても蔓は伸びていない様だが、wing
も僅かしか認められないような気がする。果たして生長してもwingは再現されるか
経過観察
1.こちらから四枚は本日2021年6月16日に撮ったもので、こちらから三枚はNO-1
個体。こちらは現在の株姿。ほったらかしのせいか全く大きくならない様だ(^^ゞ
2.一つ前に着いた捕虫嚢。wingは全然無い(^^;
3.最新の捕虫嚢。こちらも動揺wingは全然無い。捕虫嚢自体は一寸N.Prosperity寄
りの雰囲気もするが、未だ海の物とも山の物とも…(^-^;
4.こちらはNO-3個体の現在の様子。この個体も全然と云って良いほど大きくなって
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