本日は、N.gracillima×Kuchingensis Redの交配‐その6について紹介します。

①交配番号 :NO.24
②交配親  :N.gracillima[♀]×Kuchingensis Red[♂]
③交配日  :2013年9月17日
④採取日  :2014年1月30日
⑤播種日  :2014年2月6日
⑥発芽確認日:2014年4月14日

種子親のN.gracillimaは、マレー半島東側タハン山、タピス山などの標高1400~2000mに掛けて自生する高地性種ですが、比較的耐暑性もあり、冷房無しでも育てる事ができます。唯、冷涼多湿な環境でないと中々着袋してくれない様です。
一方花粉親のN.Kuchingensis Redは、N.ampullariaとN.mirabilisの自然交雑種で、非常に根張りが良く成長も早く、しかも良く腋芽が発生する品種で、育て易いです。補虫嚢は特に赤の色合が濃く、リップがグリーンとなり、そのコントラストはとても美しいと思います。
この両種を交配してみました。種子親であるN.gracillimaの低温に強い性格と、N.Kuchingensis Redの高温に強い性格が相まって、強健種になってくれるものと思いましたが、今現在は一寸・・・・って感じでしょうかね。
播種鉢からセルトレイ(2.5×2.5cm)に移植後徐々に大きくなってきましたが、順化の途中で一寸強い陽に当ててしまい、やや調子が悪い状態が続きました。2014年の10月に3個体程ビニールポットに上げましたが、その後ポット上げしておらず、一昨年はサラセニアの植替え、そしてディオネアの植替えに追われ中々本種の植替えができませんでした。一昨年3月28日になってやっと2個体植替えました。他の実生も含めスピードアップしなければならなかったのですが、結局冬になってしまいました。(⌒∇⌒)
昨年の3月、6月に2個体ほどビニールポットからブラ鉢に鉢増ししましたが、果たして無事に育ってくれるでしょうか。唯、NO-1個体がどうしても見つかりませんでした。枯らしたつもりはありませんし、里子に出したことも無い筈なのですが…。まあ、諦めざるを得ないでしょう。唯、嬉しいことに最近ビニールポット植えの個体が、棚の奥からひょっこりと出てきました。今秋には里子に出て貰いましょうかね(^_-)-☆。下段写真左から、

1.種子親のN.gracillimaで、本来は魅力的な補虫嚢を付けてくれるはずだが、
  中々良い嚢ができない。結構耐暑性はあるが、冷涼多湿の環境でないと着袋
  も芳しくない。これはアッパー寄りの嚢
2.こちらが種子親のN.Kuchingensis Red。本種はとても強健で育てやすい品種
  ロアー~ミドル辺りまでは良く着袋してくれる。アッパーはアンプに似て付
  きが悪くなる。これはミドルの嚢
3.蒴果と種子。比較的種子は量産したが、割としいなも多かった
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1.発芽確認後から大凡1ヶ月経過した2014年5月13日に撮った播種鉢内
  の様子。概ね出そろった感じ
2.2014年6月7日、本葉が展開してきたので、第一陣として20株程セル
  トレイに移植した状態を撮ったもの
3.2014年9月16日に撮ったもので、成長の違いはあるもの
  の、何んとか育ってくれている感じ。現在直径が2cm前後だが、来春には
  5cm程度成長して欲しいもの。そうなればビニールポットへ鉢上げを予定
  しようと思う
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1.2014年10月18日、生長の早い(と言っても遅いが)個体をビニール
  ポットへ上げたもの
2.2014年12月11日、10月18日にビニールポット上げした別の個体
3.こちらから二枚は2016年3月28日に撮ったもので、ビニールポット上
  げした別の個体
4.こちらもやっと鉢上げした個体
5.2015年3月29日に撮ったもの。上の3株が昨年10月にビニールポッ
  ト上げしたもので、下の2鉢は昨日の3月28日になって漸く2株だけビニ
  ールポットに植替えた。未だディオネアの植替えが少し残っているが、他の
  実生も含め早めにポット上げしたいものだが・・・・
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1.2015年6月7日、一つ上の写真右端上段真ん中の固体が本種。漸く縦長
  ブラ鉢へ植付けた様子
2.同6月7日に撮ったもので、補虫嚢をアップ
3.2015年6月27日、僅かながらまだら模様が目立ってきた感じ
4.2015年7月11日、模様が大分はっきりとしてきた
5.こちらから二枚は2015年9月24日に撮ったもの。左端写真のその後だ
  が、成長はやや遅めかな?
6.こちらは補虫嚢のアップ。特徴は未だわからないが、どんな感じに育ってく
  れるのだろうか。経過観察していこう
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1.2016年3月7日、ビニールポットからブラ鉢に植替えしたところ。本交
  配種の中では唯一赤系の個体でNO-2として管理
2.こちらから三枚は2016年7月6日に撮ったもので、こちらは株姿。突然
  倍位の葉身が展開してきた
3.最新の補虫嚢。未だ一寸ショボイくてまともそうではないが、色合いはよさ
  そう
4.最新の生長途中の嚢。まともそうな感じになってきた
5.2016年6月20日、ビニールポットからブラ鉢に植替えしたところ。草
  体は殆どN.gracillimaって感じ。NO-3個体として管理
6.こちらから三枚は2016年7月6日に撮ったもので、こちらはNO-3個体の
  株姿。こちらも最新の葉身が大きくなってきた
7.一つ前に出来た補虫嚢。こちらはNO-2個体よりも色合いは薄いが、スポット
  は入る感じ
8.こちらは最新の補虫嚢。N.trichocarpaみたいな雰囲気だね~
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1.こちらから二枚は2017年2月5日に撮ったNO-2個体。こちらは株姿。こ
  の1月中旬ころまで温室外組だったので、まともな状態ではなく、着袋もし
  ていないが、中旬以降温室に取り込んでから、徐々に嚢が形成されつつある
  様だ
2.株本の様子。既に地際から腋芽が発生してきた。嚢も形成されつつある
3.こちらから六枚は何れもNO-3個体。2016年8月3日、中々濃いめの補虫
  嚢だね~。雰囲気的にはN.gracillima似といったところだろうか
4.こちらから二枚は2016年9月5日に撮ったもので、こちらの個体は比較
  的成長が早そうな感じ。既に徒長が始まっているよ~
5.こちらは最新の補虫嚢。艶々感の中に斑模様が結構目立つ
6.2016年12月19日に撮ったもので、寒い中ショボめではあるが着袋し
  てくれている
7.2016年12月20日、結構濃いめの補虫嚢
8.こちらは2017年2月5日に撮ったもので現在の株姿。低温中なので成長
  はめっちゃ緩慢。春からの成長に期待したいもの
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1.こちらから五枚は葉身が赤味を帯びるNO-2個体で、何れも今朝2017年9
  月3日に撮ったもの。こちらは現在の株姿。相変わらず赤味が強いって言う
  か強光線に弱いのではないだろうか。小さい芽が親芽で、腋芽は完全に親芽
  を凌駕している
2.こちらは腋茎に出来た一つ前のロアー
3.腋茎に出来た最新のロアーで、完成したばかりのもの
4.こちらは主茎に出来たロアーだが、腋芽の捕虫嚢に比べて大分小振り。この
  親芽はもう少ししたらアウトになるかも…
5.こちらも主茎に出来つつある捕虫嚢の赤ちゃん
6.こちらから三枚は、今朝棚の奥からひょっこり出てきたビニールポット植え
  の個体。現在の株姿だが、何の管理もしていなかったので、ミニチュア状態
  継続(^.^)。今秋には里子に出て貰う予定だが果たして引き取り手があるの
  だろうか
7.最新の捕虫嚢。柄、色合い共に未だ薄い感じだが、果たして化けてくれるの
  だろうか
8.成長途中の捕虫嚢の赤ちゃん
イメージ 8

1.こちらから八枚は何れもNO-3個体。こちらは2017年3月3日に撮った
  もので、成長途中のミドル辺りの捕虫嚢
2.2017年3月19日、左写真の捕虫嚢の完成した様子。未だボチボチ色合
  いは濃い様だ
3.2017年3月29日、阿多が開いたばかりの捕虫嚢で、未だリップは完成
  していない
4.2017年6月20日、未だミドル辺りの捕虫嚢だろうか。フォルムは結構
  良い感じ
5.こちらから四枚は今朝2017年9月3日に撮ったもので、こちらは現在の
  株姿。大分徒長してきた。草姿は種子親のN.gracillimaに似る
6.ずっと腋芽が発生しなかったが、漸く発生してきたよ~( ^ω^ )ニコニコ
7.右は最新の捕虫嚢で、左は一つ前の捕虫袋
8.こちらは二つ前の捕虫嚢。何れにせよ殆ど変化は無いが、これからどんなア
  ッパーを着けてくれるのだろうかイメージ 7

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