本日は、N.Effulgent Koto×Ville de Rouenの交配‐その5について紹介します。

①交配親  :N.Effulgent Koto[♀]×Ville de Rouen[♂]
②交配番号 :NO.27
③交配日  :2013年9月28日
④採取日  :2014年1月23日
⑤播種日  :2014年2月2日
⑥発芽確認日:2014年4月6日

種子親のN.Effulgent Kotoは、河瀬晃四郎氏が1974年から1983年にかけて作出された56種類程ある古都シリーズの内の一品種で、1978年に作出されたものです。非常に育てやすい強健種の両親から生まれた種で、更に育て易いです。低温・高温にとても強く、非常に根張りがよく、成長も速く、良く着袋してくれる品種です。唯、少々芸が少ないのが不人気の理由でしょうか。
一方花粉親のN.Ville de Rouenは、その名の通り、1982年フランスでY.Vezier氏によって作出されたもので、N.SuperbaとN.Mastersianaを掛け合わせた5種混合の交配種です。種小名はフランス西部に位置する都市Rouen(ルーアン)の、からきているようです。ロアーは袋全体がやや赤く染まり、斑模様がクッキリと表れますが、ミドルからアッパーになると袋表面の模様は殆ど無くなり、内壁の模様が薄く表に透き通って見える様になります。最大の特長は、そのリップのストライプにあります。又、襟元の部分がアルボマルギナタに似た構造をしていますが、こちらは白色綿毛はありません。
この両親からの子ですが、コンセプトは種子親の強健さと、花粉親のストライプが入った独特な襟が如何に引き継げるかを狙ったものです。種子は僅かな量しか採取できませんでした。夜温が低いので発芽までに2ケ月程度かかりましたが、何とか発芽してくれました。唯、生長過程で、セルトレイでの育苗中に別のトレイと間違てやや強めの光線に当ててしまい、その殆どが召されてしまいました。(´;ω;`)ウッ…。現在ビニールポット、ブラ鉢へ移植できたのは1個体のみで、他の個体は既に絶滅してしまった様ですね~( ノД`)シクシク…。
無加温栽培だったせいか冬の間ずっと愚図子でしたが、最近になって漸く少しだけ元気を取り戻してきた感じです。両親の強健さから考えると、何で~、って感じですね。
補虫嚢はボチボチ着けていますが、リップにはストライプが発現していません。何かN.Effulgent Kotoそのものって感じです。本交配は大失敗だったかもです(ノД`)シクシク。1個体だけですが、これからの生長を暫く見届けようと思います。下段写真左から、

1.種子親のN.Effulgent Kotoで、ロアーは翼や蓋の裏がやや赤みを帯びるが、
  ミドル~アッパーはほぼグリーン一色になる。芸が少なく人気はないが、非
  常に強健種で良く着袋してくれる品種
2.こちらは花粉親のN.Ville de Rouen、内班とリップのストライプがとても美
  しい
3.見かけ上充実した鞘は割と多かったが、しいなが殆どで充実した種子は僅か
  であった
4.2014年5月14日、発芽から1ヶ月少々経過したところで、やっと15
  芽程度になった。無事に大きくなってくれる事を祈りたい
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1.2014年5月22日、取り敢えず10個体程連結ポットに植替えたところ
2.2014年7月8日、少しずつ新葉が展開している様なので、活着してくれ
  た雰囲気。唯、この後でえらいことをやらかしてしまった。本トレイと別の
  トレイを誤って強めのお陽さんに当ててしまいほぼ全滅させた(;O;)
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1.2015年3月28日、唯一の生き残り個体をビニールポットへ上げたとこ
  ろ
2.こちらは2015年6月13日、生き残り個体のその後。何とか活着し大き
  めの新葉が展開してきた。何とか無事に育って欲しいもの
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1.2015年8月30日、ビニールポットから4号ブラ鉢に砂利系混合用土で
  植え替えたところ
2.2015年9月26日、新しい葉が展開してきたので、活着したものと思わ
  れる。葉の展開は比較的早い感じ
3.2015年11月6日、ボチボチ生長、着袋してくれている様子
4.2016年1月26日に撮ったもので、こちらは草姿。気温が低いので生長
  速度は緩慢だが今のところ順調そう
5.こちらから二枚は2016年7月29日に撮ったもので、こちらは株姿。冬
  季調子がイマイチだったが、最近になって漸く生長してきた感じ。両親とは
  大違い(#^ω^)
6.株元の様子。根が結構太くて雰囲気的にN.vikingの塊根みたいで、その部分
  から腋芽が二芽発生してきている。これから強健になってくれる(・・?
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1.こちらから四枚は2016年1月26日に撮ったもので、こちらは三つ前に
  出来た嚢。特徴は全然無い
2.二つ前に出来た嚢で、こちらも特徴は全然無い
3.一つ前の嚢で、若干大きくなったようだが特徴は無い。唯、襟の色合いから
  して将来ストライプが出てくれそうな気がする
4.こちらは生長途中の補虫嚢
5.こちらから二枚は2016年7月29日に撮ったもので、こちらは最新の補
  虫嚢。両親の中間ってとこだろうか。唯、残念ながらストライプが出る感じ
  は全然無い。きっとこれからも出ないだろう(´;ω;`)ウゥゥ
6.生長途中の補虫嚢。全体を通して両親を足して割ったって感じ
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1.2016年9月2日、徐々にではあるが大きくなってくれている様である
2.こちらの二枚は2016年10月20日に撮ったもので、こちらは株姿。主
  茎は若干徒長し始めた感じ
3.こちらは株元の様子。腋芽が僅かに大きくなり、着袋が始まった様だ
4.こちらは今朝2017年8月7日に撮ったもので、現在の株姿。冬季温室外
  で無暖房管理としていたためか、主茎は朽ちてしまった。何とか腋芽が4芽
  発生して持ち堪えてくれた感じ
5.2016年9月13日、何かN.Effulgent Kotoそのものの様だが、若干色合
  いは濃いだろうか。N.Ville de Rouenはどこへ行ったのだろう(・・?
6.2016年10月20日、気温が低下してきているせいか、左写真の捕虫嚢
  よりもやや濃いめになった
7.こちらから二枚は今朝2017年8月7日に撮ったもので、腋芽に出来た未
  だロアー辺りの捕虫嚢
8.こちらも別の腋芽に出来たロアー
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