本日は、(N.smilesii×viking Red系)×sibの交配‐その1について紹介します。

①交配番号 :NO.57
②交配親  :(N.smilesii[♀]×viking var boatform sib(Red系)[♂])×sib
③交配日  :2016年9月8日
④採取日  :2016年12月5日
⑤播種日  :2016年12月14日
⑥発芽確認日:2017年1月29日

種子親のN.smilesiiは、東南アジアの大陸部(タイ東北部、ラオス南部、カンボジア 、ベトナム西部等)の開けた砂質の草原やサバンナなどに自生し、乾季に耐えることが出来る種で、塊根性で牛蒡根が生えています。従って、乾燥が過ぎると地上部を全て枯らし、根部だけで暫く耐え抜く事が出来る品種です。或る程度ロゼット葉が展開した後、N.tobaicaの様に急激に徒長しますが、2m程度伸長すると力尽き、自然に地際の腋芽に更新されていきます。唯、状態が良いと腋芽が複数発生しブッシュ状になり、沢山の補虫嚢が付き見応えがアップする様です。
一方花粉親のN.viking var boatform ×sib(Red系)は、boatform同士のsib-crossで、ぷりんさんが作出されたものです。赤みの強い個体で、特に耐暑性があり、非常に着袋し易く、根部の発達が良く、腋芽もどんどん出て株立ちになります。特に陽を好みますので、十分な日照と水、気温があればバンバン成長し鈴なりに着袋してくれる品種です。
この両親は何れもN.mirabilis系で塊根性の品種ですので、交配コンセプトとして当然の如く非常に根張りよく、暑さ寒さに強く、腋芽も発生し易く良く着袋する子ができてくれるものとの思いから交配してみました。唯、この種子は思った以上に発芽が遅く、4.5ケ月程度要しました。発芽には特に高温を必要とする種子なのかもしれません。唯、その後の生長は順調でした。N.smilesii×viking Red系の育種記事はこちらから。
発芽してやっと2.5年程経過した昨年の9月に3個体開花しました。NO-1個体とNO-3個体が雄株、NO-2個体が雌株でした。NO-2個体とNO-3個体が同時に開花しましたので、一寸×sibってみましたが、何とか12月に採取できました。見た目はやや小さめながら鞘も膨らんでおり良さそうな感じでしたが、残念ながら殆どが「しいな」で僅かな量しか採取出来ませんでした。種子自体も種実の実りがあまり良さそうではなかったのですが、一応播種してみたところ先月末に1芽だけですが発芽を確認しました。
本日再度確認したところ2番目の双葉が展開していました。三番目の芽も発芽が始まった様です。あまり期待は持てませんが、あわよくば2~3芽育ってくれたらと思っているところです。下段写真左から、

1.2016年9月21日に撮ったN.smilesii×viking Red系の種子親NO-2個体
  の補虫嚢。僅かに襟は後ろへカールする感じで、この個体はやや赤味があり
  ロアーは花粉親に似て真っ赤に色付く
2.2016年9月8日、左個体の雌花を撮った様子。既に柱頭には右個体の雄
  花の花粉が着いている
3.2016年9月13日、こちらはN.smilesii×viking Red系の花粉親NO-3個
  体の補虫嚢で、リップは殆ど後方に反り返ることなく、外套の襟を立てた感
  じになる。この個体は赤味が殆ど無い
4.同9月13日に撮った左個体の雄花。この個体は花付きがとても良く、この
  後4番花までいったよ~!(^^)!
5.2016年10月6日、徐々に鞘が膨らんできた様子だが、一寸鞘が小さい
  もしかしたら全部「しいな」かもしれないな~
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1.2016年12月5日、蒴果と種子を撮ったもの。沢山の鞘からまともそう
  な種子は僅かしか取れなかった
2.こちらから二枚は今朝2017年2月21日に撮ったもので、こちらは播種
  鉢内の様子。とても判り辛いが、真中やや右斜め下に最初の発芽したものが
  確認できる。真中から左やや斜め上に二番目に発芽した個体、真中から上や
  や右寄りに発芽が始まった個体が確認できる
3.最初に発芽した二葉の様子をアップしたものだが、これが限界( ノД`)
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