内容証明郵便は、将来発生する可能性があるトラブルを防ぐためや、現に発生しているトラブルを解決する一つの手段として利用されています。
また、訴訟や裁判手続きの前に何らかの文書による請求を行っておく方がよいとされています。直ちに相手方の財産に仮差押えをして財産の隠匿を阻止するような必要性がなければ、内容証明郵便を出すことにより解決できることがあります。
裁判所に交渉過程の一端を見せておくことにもなります。
では、
内容証明郵便を受け取った場合の対処方法は?
内容証明郵便の受取人が、返事を出さなくても一般的には差出人の言い分を認めたことにはなりません。
しかし、差出人が最終的には裁判手続きをとる場合があるということも考慮して対策をしていかなければなりません。
内容証明郵便の指摘内容のとおりであれば、その内容を履行しておく必要があります。
直接連絡をして、話し合えば解決策がみつかるかもしれません。
以下、返事を出す場合に注意すべきことになります。
内容証明郵便に返事を書く場合の注意点!
出した内容証明郵便は相手方の証拠になります。長々と返事を書いてしまっていたら、相手方にこちらを攻撃する手がかりを与えかねません。
差出人は相手方が何を考えているのか、どのような証拠を持っているのかを引き出そうとしている場合があります。
そのため、返事は簡単明瞭に書くべきです。
また、どのような内容の返事を出したのか、いつ相手方に届いたのかが分かるように、こちらも配達証明付きの内容証明郵便で出します。
一定期間内に回答しないと法律上一定の効果が生ずる場合とは?
内容証明郵便を受け取ったからといって、返事を出さなくても差出人の言い分を認めたことにはなりません。しかし、これには例外があります。
隔地者間における契約の申込み(商法508条)
商人である隔地者間において、承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が、相当の期間内に承諾の通知をしなければその申込みは無かったことになります。
契約の申込みを受けた者の諾否通知義務(商法509条)
商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、すぐに返事をしなければ契約の申込みを承諾したものともなされます。
制限行為能力者の相手方の催告権(民法20条1項)
未成年等の制限行為能力者が行った行為は取り消すことができますが、行為能力者となった後に相手方から1ヵ月以上の期間を定めてその期間内に取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき催告がきた場合、その期間内に確答を発しないときには、その行為を追認したものとみなされます。
無権代理の相手方の催告権(民法114条)
無権代理人がした契約において、相手方は本人に対し、相当の期間を定めてその期間内に追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。その場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなされます。
抵当権消滅請求(民法379条)、債権者のみなし承諾(民法384条)、競売の申立ての通知(民法385条)
抵当不動産の第三取得者は、登記をした各債権者に対し、一定の書面を送付することにより抵当権消滅請求をすることができます。その抵当権消滅請求の通知を受けたままにしておくと、第三取得者が提供した金額の弁済で抵当権が消滅します。
抵当権消滅請求に承諾できないときは、債権者は通知を受けた後、2ヵ月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしなければなりません。また競売申立ての通知を債務者及び第三取得者にしなければなりません。
選択権の移転(民法408条)
債権が弁済期にある場合において、相手方から相当の期間を定めて催告をしても、選択権を有する当事者がその期間内に選択をしないときは、その選択権は、相手方に移転することになります。
催告による解除権の消滅(民法547条)
契約を解除できるのに解除しないでいる場合、相手方は相当の期間を定めて解除するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その期間内に解除の通知をしないとき解除権は消滅し、契約の解除をすることはできなくなります。
受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告(民法987条)
受遺者は、遺贈義務者その他の利害関係人から相当の期間を定めた遺言の承認又は放棄をすべき旨の催告を受けた場合、その期間内に意志を表示しないときは遺贈を承認したものとみなされます。