前回の続きです。


業務委託契約解除の通知書を内容証明郵便で出すように言われて、


なぜ、内容証明郵便で出すのか?


どのような場合に内容証明郵便で出せばいいのか?


そのほか、どのような場合に内容証明郵便を利用するのか?


配達証明は付けるべきなのか?


と、いうことは分かりました。


しかし、内容証明郵便はもう少し奥が深いようです。



内容証明の書き方(内容)で、注意することは何ですか?


事実や権利関係につき法律根拠も加えて、簡単明瞭に書きます。


また、事案にもよりますが、こちらの意志を通知するだけではなく、相手方が何を考えているのか、どのような証拠を持っているのかを引き出すような書き方を要すべき場合があります。


内容証明郵便を受け取ったからといって、返事を出さなくても一般的には差出人の言い分を認めたことにはなりませんし、法律上不利にはなりません。但し、一定期間内に回答しないと法律上一定の効果が生ずることがあります(内容証明その3)。


出した内容証明郵便は相手方の証拠にもなります。自分にとって不利な証拠となっていないのか検討する必要があります。


相手方が内容証明郵便に応じてくれない場合、次の手はどうするのか考えて書かなければなりません。



内容証明郵便を出さない方がいい場合はありますか?


相手方が倒産しそうな場合には、内容証明郵便を出すことによって財産を隠匿したり、夜逃げしたりしてしますことも考えられますので、直ちに相手方の財産に仮差押えをするべきです。


また、不渡りの場合にも手形交換所の供託金を仮差押えするか、供託していないときには他の財産を仮差押えするべきです。



内容証明郵便が相手方に届かない場合はどうなりますか?


民法97条1項では「隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。」としています。意思表示する通知が、相手方に届かなければ効果がないのです。


配達証明付き内容証明郵便を出した場合、「到達したものとみなされるとき」と「到達したものとみなされないとき」があります。


受取りを拒絶したとき


受取人は、配達された郵便物の受取りを拒絶することができます。


しかし、民法97条1項の「到達」とは、相手方が現実に通知した中身を見たときではなく、相手方がその通知を知りうる状態であればよいということになっています。


そのため受取りの拒絶は、到達したものとみなされます。


また、同居人が受け取った場合や受取を拒絶したときも到達したことになります。


留守で配達されないとき


配達証明付き内容証明郵便で出すと、郵便配達人が直接受取人に渡し、受取人から受取印をもらうため留守のときには配達できません。そのため、留守宅に郵便局で保管していますので7日以内に取りに来てくださいと書いた手紙を置いていくことになります。


しかし、受取人が7日以内に取りに来ない場合、内容証明郵便は差出人に戻ってきてしまいます。


この場合には、その通知は届いたことにはならず、意思表示の効力は生じません。到達したものとはみなされないのです。


※クーリング・オフに関しては、民法97条1項の例外であり、クーリング・オフの通知を発信したときに効力が生じます(発信主義)。


居住不明のとき


公示送達という方法があります。


相手方が最後に居住していた場所を管轄する簡易裁判所に申立てを行い、一定の手続を経ることで、内容証明に記した意思表示は、相手方に到達したものとみなされ、その効力が生じます。