主人公が一言も喋らない83分 『エッセンシャル・キリング』 | 1分で読める映画感想~感じたままに~

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荻昌弘さんがボクの心の師匠です

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森の中を "逃げる" という


じつに単純かつ魅力的な

エンターテインメント向けの基本行動を


ただひたすら

リアリティにこだわって描きたおした

超個性的な1本がこれ←



米軍兵士をロケット弾で殺害し

一度は米軍の捕虜となり

収容所で激しい拷問を受けるが

別の場所に移送される最中の不慮の事故に乗じて

逃亡に成功した主人公


米軍に追われる

このアラブ人の兵士役を

ノーセリフ・顔面表現のみで演じきった

ヴィンセント・ギャロ


過酷極まりない冬山を

ひたすら、逃げる、逃げるダッシュ


逃げて生き延びることに

すさまじき執着心を発揮する

ギャロの過去作品とは一味も二味も違った演技に


ほんとは応援などしてはいけない内容であるにもかかわらず


『捕まるな、逃げろ』 と

思わず加勢してしまう困った自分を発見びっくり



ちなみに本作で彼は

第67回ヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞を受賞


過去においても

このような森林・密林で

逃げる・追い回される映画は沢山ありましたが


『ランボー』に代表されるように

主人公の逆襲劇に主眼を置いた展開が多かったように思いますね


しかしながら本作に対しては

派手な逆襲劇などに展開が転ぶような

アクション映画的な演出を期待してはいけません


そのかわり

徹底したリアリティを追及した

冬山の森の中の臨場感は格別きらきら!!


森の持つ神秘性や気高さを

映画の質感にプラスした中で


主人公は生き続けるために

樹木の表皮やアリ塚の蟻まで食し


あげくの果てには

乳飲み子を抱える

民間人の女の母乳まで奪いますビックリ


やがて彼は森の中で

難聴の女が住む一軒家にたどり着くのですがてんてん


ラストに

傷を追った主人公が

騎乗した白馬の首に血を吐き

白馬の首元が真っ赤に染まる情景が

この映画の中では

唯一 非現実的に感じられる1ショット


余韻たっぷりですきらきら!!