屈折極まる復讐劇 『私が、生きる肌』 | 1分で読める映画感想~感じたままに~

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私が、生きる肌〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 9-2)
私が、生きる肌〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 9-2) ティエリー・ジョンケ 平岡 敦

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題名が実に意味深ですねなぞ


『私か生きる肌』

ではなくて

『私が、生きる肌』


あえて読点を入れているあたりに

この邦題の深遠さを感じ取ることができそうですきらきら!!


ちなみに原題は『MYGALE』

→直訳では女性名詞のトリクイグモという種類の蜘蛛を指し示すとのことで


フランスの作家

ティエリー・ジョンケによる中編ミステリー小説


サスペンス・ミステリー好きの自分としては

この題名とパッケージに魅かれて

興味津々で買ってしまいましたルンルン


その内容はまさに美しき問題作ムンクの叫び


インモラルな題材を扱い

時には暴力的に

時には繊細で美しさを感じさせる筆致であり

ただの謎解きミステリーとは一線を画す作品です。


キーワードは

『蜘蛛』、『復讐』、『獲物』、『変身』

といったところでしょうか!?


私的には国は違えど

江戸川乱歩のダークで耽美な短編作品群に通じる

共通点を感じ取ることができました。


読み終わってみると

ある人物のある人物に対する復讐劇であると

解することができるわけですが


想像の範囲をまったく逸脱した復讐劇ということで

そのへんはネタバレになりますから触れないことにします。


物語は3つの視点

①リシャールという著名な形成外科医

②アレックスという粗暴な銀行強盗

③そして謎めいた2人称で語られる"おまえ"


により描かれ

時間軸を時に無視して

それぞれに一見脈絡なく語られていきます。


が、だんだんと謎がからみつき

エンディングに向けて

ジグソーパズルのピースがはまるように

リシャール、アレックス、"おまえ"の接点が縮まっていき

やがて見事に重なりあいますすげー


ちなみに本のパッケージもインパクト充分ですが


これは5月下旬に公開になる

ペドロ・アルモドバル監督による映画版ショットの引用ですね。


リシャール役のアントニオ・バンデラスが濃いですねびっくり


映画版の予告編を見る限り

どうやらだいぶ

小説版から脚色されているようなので


それはそれで

小説版と映画版

それぞれの違いを楽しみながら観賞できそうですが


できれば、まず小説で読んでみていただきたい作品ですおしまい