ひとまず宣伝(笑)ヨソプの魔法使い-6 【ドゥジュンセンイル】 次の日の朝。 ドンウナはみんなにお弁当を作ってくれた。 野菜はギグにもらったやつを使ってもらったんだ。 俺はお弁当とドンウナの為の挿し油をバッグに詰め込むと、 仲間達の顔を一人ひとりゆっくりと見つめた。 「さ!行こう!」 薄暗い森も、 木こりのドンウナが一緒だと安心。 それにいろいろ教えてくれるんだ。 あ、ここには果物がなってるんですよ、 とったらどうですか?って。 そう言うからさ、俺、教えてあげたんだ。 「ドンウナ、一番大きいのはドンウナだから、 ドンウナがとって。それが親切だよ」 「……そうですね!ドゥジュンヒョン、 ありがとうございます」 ドンウナがもいでくれた果物は、 とても甘くていい匂い。 でもさっき朝食をたっぷり食べたばっかりで、 今はまだ食べられないねって話をしたら、 ギグァンが困った顔で言うんだ。 これを持って歩くのは大変だねぇ。 僕、手2個しかないよ?? こんなに沢山もてないねぇ………って。 だから、俺、教えてあげたんだ。 「ギグ、僕のかばんに入れたらいいぞ。 ギグが考えられないなら、 みんなで考えたらいいんだよ」 「そっかぁ!ドゥジュナありがとう! リュック重いの? 僕、ワラだけど力はあるから持つよ!」」 俺のリュックはギューギューで重たくなって、 持ち上げられなかったんだけど、 力持ちのギグァンがリュックを持ってくれたんだ。 「ふふ。僕でも役に立てるね」 当たり前だろ! ギグがいてくれて、俺はすげー嬉しいよ。 「ドゥジュンヒョンが嬉しそうに笑ってくれるから、 僕は親切ができるみたいです! ヒョン、ありがとうございます」 おぅおぅ。 俺のおかげなんだな。どやっ! 4人の旅は楽しくて、 お喋りもいっぱいしながら歩いていたら、 ドンウンが、そろそろ森の中腹だよって。 「ドゥジュンヒョン、気をつけてください。 ここから森を抜けるまでは、 たくさんの獣がいるんです」 小鳥一匹いないのに、本当に獣がいるのか? あんまり信用してなかったんだけど。 「ウォッーーー」っていうすごい唸り声と共に、 黒いサングラスをかけたライオンが、 木の陰から飛び出してきた。 俺たちを庇うように、 ドンウナが斧を振り上げたんだけど、 いとも簡単に、そのライオンはドンウナを押し倒す。 「ヒョンたち逃げてください!!」 「ドンウナ置いて行けるかよ! ライオン、あっち行けよ!!」 ガクガクと足が震えたけど、 ドンウナをおいて逃げることなんて できるわけもなくて、 俺は必死にライオンに向かって叫んでいた。 「僕やだよ。怖いよ。 あっち行ってよぉ~~」 ギグが必死で自分の体から抜いたワラを、 ライオンに投げつけるんだけど、 もちろんライオンがそんなことにひるむはずもなくて、 ギグまで簡単に押し倒されてしまう。 「ギグ!大丈夫か!? 俺の仲間に何するんだ!!」 がんばって声を荒げてみても、 もう俺も地面にへたりこんじゃっていて、 ライオンは俺に迫ってきた。 今度は俺が押し倒される! ぎゅって目をつぶった瞬間だった。 「キャンッ!!!キャンッ!!!」 あの臆病者のテギョンがさ、俺を守ろうとして、 ライオンに向かって必死に吠えてるんだ。 その声に目をあけたら、 ライオンは眉毛をぴくりって動かした後、 大きな口をあけると、 テギョンに噛み付こうとした。 なっ!?テギョンは俺が守るんだ。 ひざが震えているけど、腰もがくがくするけど、 それでも勢いをつけて立ち上がると、 俺はライオンの頬を思いっきり平手打ちした。 【パーーーーーンッ】 自分でも驚くほどの力だったし、 痛かったんだろうな。 サングラスが吹っ飛んだライオンの顔は赤くなって、 目は少し涙ぐんでいて、 ジーっと俺をにらみつけている。 「お前みたいな大きいやつが、 テギョンみたいな小さいの食べるなんて、卑怯だぞ!」 「……誰も食わねーし………。 てか、ちょっと犬が可愛いから、 印つけたくて、甘噛みしたかっただけだし……。 何も殴らなくてもいいだろ」 ………へっ? 「だ、だってドンウナとギグ、 押し倒したじゃないか!」 「ちっ………。1年ぶりに俺以外の奴見たから、 ちょっと力加減が判らなかっただけだろうが……」 「そっか……、殴ってごめん。 でも、俺らのほうが怖かったのに、 なんでお前が泣くんだよ」 吹っ飛んだサングラスを、 器用にかけなおしたライオン。 「俺、ドゥジュン。 お前は? なんで泣いてんだ!?」 「ちっ、泣くかよ。 俺はジュニョ……。 東の魔女にライオンにされた。 そのときに、百獣の王なのに、 弱虫なんって笑えるって、 勇気を盗まれた…」 そっか……。だから大きな声で吠えたんだ。 弱虫って知られないように。 ぷいって横を向いちゃったジュニョ。 んっ?ジュニョ……? どっかで聞いたような………。 「……お前らうぜぇ。 もう、行けよ」 「ジュニョ、ドンウナとギグとテギョンに謝まれよ。 そしたらさ、一緒にエメラルドの都に行こう! きっと偉大な魔法使いのヨソプなら、 ジュニョの勇気を取り戻してくれるよ」 ちって舌打ちがまた聞こえた。 駄目か………。 無理強いはできないしな。 「もぅぅぅ。 ほら!ごめんなさいって言うだけでいいんだよ? 一緒に行こうよ。ねぇ、ジュニョ」 「なっ、お前なんだよ」 「僕?僕、ギグァンだよ。 一緒に行こうよ。ねっ?」 ジュニョのたてがみに、 ふわっと抱きついたギグ。 「だぁ、おまっ……チクチクするって」 むずがゆそうに身をよじるけど、 ジュニョ?笑ってる……? 「そうですよ。百獣の王が一緒だと、僕も心強いです。 一緒に行きましょう。ジュニョンヒョン」 「ワンッ」 テギョンまで!? 4人の視線に、負けたよって ポツリとつぶやいたジュニョ。 垂れてた頭を持ち上げて、 紡がれた言葉に、全員が笑顔になった。 「………悪かった」 4人の旅は、こうやって5人の旅になったんだ。 -------------------- ゆるこんとこのじゅにょん、あやねちゃんにかみあとつけてたから、 間が開いてすいません。センイル企画なのに(爆笑)設定もらっちゃいました(うっふり) そしてまだ書き終わってないっていうね。ちーん。 にほんブログ村 |

