広島県の野菜を、東日本に届ける。


問題は山積みだ。
どんな形でどのように販売していくのか、決めることもたくさんある。


他のメンバーの、ユミコさんとノカさんも、乗り気の様子。


ユミコさんが言った。
家族の台所に出店してる農家さんに呼びかけてみたらどうかな。
ええじゃん(農協直売所)に売り込んでみるとか。
 需要はたくさんあるはず。
 放射能問題に取り組んでいる団体とかで、情報がすぐにシェアされていくと思う。」


トモキチさんが言った。
「農協以外の販路ができると嬉しい農家は、いると思う。
 ただ、農協しか知らない人には、個別にダンボール詰めをするのが面倒と思う人もいるかも。
 そういったことが大事とすでにわかっている有機系の農家などの方が、すぐに受け入れやすいだろう。
 たとえば、自分はすでにそういうことをやっているから、うちからはすぐにでも送ることができるよ」


ノカさんが言った。
「放射能を避けられればいいや、ではなく、そもそも野菜がどうやって農家さんで作られて私達に届くのか、農薬など含めた根本的な問題定義になる形で、サイトを作りたい。
 そもそも、野菜を販売するだけだと、東日本の危ないエリアに住むことを肯定しているような形になるのも嫌。
 私はあくまで、関東・東北の人達はできる限り避難してほしいと思ってる。
 私達が今までやってきた避難支援のこと、今やっていることなど、情報をまとめたホームページをまず作りたい。ずっと作りたいと思ってたんだ。
 その上での野菜販売の形にしたい」


ひとまず来週、
WebデザイナーであるNanaさんをみんなに会わせることになった。

まずは、そこから。


私が目下、気になっていることは、
資金の問題。

少なくとも、販売にこぎつけるまで、農家さん達に頻繁に接触する必要があるだろう。
きっと、世羅だったり瀬戸田だったり。
軌道に乗るまでの必要経費は、どうやって賄っていけばいいんだろう。

始まりは、昨日。
久しぶりに4人が集まった。

まぁ、現状報告の飲み会だ。

$西日本の野菜を東日本に届けたい!のブログ


その場で、私が提案した。
「広島県の野菜を、東日本に向けてネット販売することができるかもしれない」



その2日前、
東京から尾道へ避難希望のNanaさんに会った。
赤ちゃん連れの、母親。

私が所属する『ひなの会』は、
関東・東北から尾道への、避難希望の相談・支援を行っている。
昨年の震災・原発事故以来、放射能の影響などを心配して避難したい方達へのボランティア。
何を隠そう、私も避難・移住者の1人だ。

その活動の一環として、
尾道へ下見に来ていたNanaさんと会ったのだ。


話していくうち、彼女はWebデザインの仕事をしていた経歴を話してくれた。
そして、いつか西日本の農家さんの野菜などを、関東にネット販売したいと思っていることも。

西の野菜を東へ送る。
それができたらどんなにいいだろう。
ノカさんと、話したことがあった。

でも、私達にはノウハウが無さ過ぎた。
今までは、ただの夢だった。

でも今、販売用のサイトを立ち上げられる人に、出会ったのだ。
しかもNanaさんは、尾道に住む弟さんの家と東京の自宅とを、1,2ヶ月単位で滞在する予定らしい。


この話を、どこへ持っていったらいいだろうと思った。
そして思いついたのが、猿会だった。

なぜ『猿会』なのかは、おいおい書くとして、
そのメンバー4人は、なぜか気が合った。
単に楽しいというわけではなく、志を同じにして活動できる仲間だった。

そしてなにより、
トモキチさんは農家さんだ。

通称『猿会』、
たまたまNanaさんと出会った2日後に飲み会の予定があったのも、
何か見えない力が働いているような。



「やってみる価値はあると思う」
トモキチさんは、言い切った。


私達は夢を形にすべく、動き出した。