想像以上に妖艶なカラダのその女性は、積極的だった。
二人は、覚えたての頃の様に、何度も何度も繰り返した。
アルコールで断片的になったその場面は、深く官能的な
記憶となって残った。
・・・。
鈍い頭痛と共に目が覚めると、女性が慌てた様子で身支
度をしていた。
「朝、暗い間に帰ろうと思っていたのに・・・。マズイ。」
6時50分。
私も急いだ。
外に出ると、我々の存在を全く無視するかの様な、爽やか
な空だった。鮮明に雲の輪郭が判別出来る青い空。
眩しい朝日とアルコールによる頭痛に顔をしかめながら、
ホテルを出て大通りへ。タクシーを探した。
その女性は、ひどく真面目な顔をしていた。
急いだため、化粧はほとんどしていない。昨日の化粧が
残っている程度。
整った鼻、飾り気のない目、乾いたほどよい厚みの唇。
かわいらしい顔だった。
化粧映えする顔でもあるが、飾らない女性の顔は、愛ら
しくかわいかった。
女性の焦った気持をよそに、私は女性の顔をみつめ続
けていた。
タクシーの中で、あまり会話は無かった。
女性は平静を保っていた。
最寄り駅で、女性は降りた。
私は、一人タクシーで自宅に向かった。
・・・・。
連絡先を聞いていない事に気づく。
振り返ると、女性の姿はもう無かった。