5:30A.M.

灌木帯を抜けてから、雪の壁が目の前に現れた。

かなりの急登だ。

相棒がオレに言う。

ピッケルなくてだいじ(大丈夫)か?ト。

オレはトレッキングポールしか持ってきていないかんな、、

 

話がちがうべな、、、

栃木山岳会の友人に装備に関して事前に聞いていたのだ。

昨年のGWに鳥海山に登っていた彼らによると、ピッケルはいらないト。

でも、登山口が違ったか、、、彼らは祓川から入山したんだっけ、、

 

どっちみち、滑ったら途中じゃ止まらないべな、、

岩木山の坊主ころがしの急登と似たような場所だ。

100mは落ちていくか、、、

あんときは凄い風に吹き飛ばされそうになったが、

今日は風がないだけましか、、

やっぱり、鉾立口から登ればよかったか、、

 

とにかく、一歩ずつ、慎重に雪面に爪を食いこませていくしかないべ、、

なんとしても、新聞に出ることだけは避けたい。

栃木県の男性ハイカー(67歳)滑落死、、