さらに稜線を登っていくと、若い女性が黒いザックを

重たそうに、まるでおばあさんのように腰を曲げて登っていく姿が

目についた。

下野新聞社の記者だった。彼女のザックの底を右手で支えて

あげたが、その重さが半端ない。カメラやドローンなどの機材が入ってるト。

彼女(推定年齢25歳)は、わぁ、軽い、と声をあげた。

F内くんが、後ろから、「やさしいんじゃない」ト。

当たり前だんべな、オレは若い娘には優しいんだ。

この姿勢で急登を続けると、オレの心拍数もかなり上がった。

 

9:49A.M.

もうすぐだ。ブナが見えてきた。