炭出し作業が始まる。

すでに窯の中で炭が焼きあがっていた。

窯の狭い出入り口から完全武装の二人が膝をついて

薄暗いなかへ入りこんでいく。

座った姿勢のまま、彼らは滑り込ませたトタン板の上に炭を乗せていく。

それを引っ張り出して、外にいる我々がコメ袋に詰めこんでいくのだが、

炭の微粉が煙のように舞い上がる。

腕ぐらいの長さの炭を叩いて割るとカーンといういい音がした。

備長炭は金属音がするというが、ほんとうだろう。

それにしても黒い粉がモワモワ漂っている。

 

休憩のため、軍手を脱ぐと爪も真っ黒だし、マスクの鼻の部分も

真っ黒だった。頭髪もかなり炭の粉をかぶってるだろうけど、

これで白髪が少しは染まったかも、、。