1:30P.M.
S看護師が入ってくる。手術が予定より30分早まった。
病室にいた家人とオレの顔を交互に見ながら、こう言った。
あの救急救命士がやるのを断ってもいいんですよ。
家人が、ほんとにいいの?とオレに言う。
いい、、と小さな声で答える。
最悪、死ぬようなことにはならないだろう、、。
S看護師と家人とオレが歩いてエレベーターへ向かう。
2階にある手術室へ家人を残して入っていく。
麻酔科医が差し出した、救急救命士による気管挿管病院実習の
承諾書に署名する。その麻酔科医の隣にいた30歳前後の若者が今回実習
する救急救命士だった。小柄だが精悍な感じがして、この男なら
信頼できそうだ、そう思って少しホッとする。
その後薄い生地のベッドに寝て、もう一つの扉の向こうへ入っていく。
担当のS先生がキャップをかぶりマスクをつけて待っていた。
そのほかに、小柄な女性2人がついていた、ともに30歳前後だろうか?