ずーっと後について走っている。

同じペースなのだ。歩いてるランナーを何人か追い抜きながら、

その背中にぴたりとついている。その小柄な女性ランナーの

背中には「走れることにありがとう」という文字が貼り付けてあった。

彼女(推定年齢46歳)、日焼け止めのクリームを厚めに塗っているのか、

顔が白っぽかった。さっきの第3関門で見かけていたのだが、かなり走り込んで

いるのか、無駄なお肉がまったくなかった。

一定のペースを崩さずに、狭い歩幅でちょこちょこ走れることに

感謝しながらひたすら脚を動かしているのだろう。

だが、痛いことには感謝できないなぁ、、

まだまだ、オレはそこまで人間ができてない。

 

彼女、オレをストーカーのように感じたのか、道を横断する際に

ペースを上げていってしまった。

ひざの痛みといっしょに走り続けていると、ガソリンスタンドで応援

してくれてる人がいて、ボードがパイプ椅子の上に置いてあった。

その白い板には、脚の痛みは気のせい、と書いてあった。

気のせいか、、

そう思いこもうとして走るが、、

やっぱり痛いものは痛い。