8:23A.M.

自転車を置き、あたりの景色を写真におさめていると、さっき追い越した

4人組のパーティーが川沿いを歩いていった。男三人女一人の30代前後の

若者たちだった。皇海山へ向かうのだろうか?

 

8:35A.M.

枯れ草でおおわれた急斜面を冬用登山靴で登りはじめる。

重くて、足首があまり曲がらないので疲れる。

草の穂先に頬を撫でられながら、よじ登っていく。

シカの糞があちこちにコロコロ転がっていて、臭う。

心臓がバクバクしてきたら、キエーン、と上のほうでシカが鳴き声を発し、

オスジカが飛び跳ねていった。