はじめに

 

ひどく方向音痴の小生がロードバイクで遠くまで行けるのも、そして難なく帰宅できるのも、画面に表示した地図に走行経路を重ねて指示をしてくれるGlobal Navigation Satellite System (GNSS)があってこそです。

 

紆余曲折を経て、いま現在、小生はサイコンナビを別々の端末で使ってます。もちろん、できることならば、軽量化できるから、ひとつで済ませたいところではあります。

 

ちなみにサイコンには、新しいという理由だけで iGPSPORT BSC300 を使っています、そしてナビには、スマホ不要でリルート機能のある GARMIN eTrex30x を使っています。

 

BSC300にケイデンスセンサ(iGPSPORTのケイデンス専用)、スピードセンサ(ケイデンス&スピードデュアル機能の XOSS)及び心拍センサ(GARMIN ForeAthlete 245)をANT+で接続しています。以前は、スピードセンサとケイデンスセンサにXOSSを使っていたのですが、XOSSはデフォルトではスピードセンサモードになりますが、すばやく電池の入れ直しを行うことでケイデンスセンサモードに切り替わります。電池交換のたびにこれをやらないといけないので面倒くさかったのもありますが、それよりも、XOSSはケイデンスセンサモードにすると保管している間も電池を食っているらしく、カタログ値の10分の1程度しか持たないのです。だからケイデンスセンサモードがデフォルトのやつかケイデンス専用のセンサに替えたかったのです。iGPSPORT社の製品を選んだのは、たまたまだったのですが、電池の持ちはカタログ値どおり長期間もつようになりました。

 

GARMIN eTrex30x

 

GARMIN eTrex30x にはナビ機能がありまして、自動経路再計算機能(いわゆるリアルタイムのリルート機能)があります。もちろんスマホ接続は不要で、単体でナビしてくれますし、リアルタイムでリルートしてくれます。ちなみに、スマホ接続する機能はありません。

 

単三乾電池2本で20時間ほど働いてくれます。電池を食わないCPUなのですが、ものすごく昔のCPUなので昨今のスマホなどに比べるととても遅いです。画面サイズはQVGAです。スマホのGoogleマップみたいに地図をスクロールすることはできますがとても遅いです。

 

eTrex30xは、いわゆる山歩きで使うことを想定されている製品ですが、30 km/h程度の移動速度ならば、不通にナビとして使えます。

 

画面スクロールが遅いので、eTrex30x 単体で地図をスクロールさせて場所を探すという芸当は、とても時間がかかりますので、 eTrex30x 本体に、あらかじめ Point Of Interest (POI) を格納しておいて、それを検索して選ぶという方法がスピーディーで便利です。

 

eTrex30x (eTrex20Jも同様)では、先頭一致検索機能だけです。単語の先頭よりも後すなわち中間に一致する文字列があっても検出してくれません。このような eTrex30x の性質を理解したうえで、仮名漢字変換機能なしで、eTrex30x をナビとして活用する方法を考えてみました。

 

小生の eTrex30x には、日本語フォントを自分でインストールしてありますので、メニューなどの操作系及び地図上で日本語表示が可能です。但し仮名漢字変換機能は、ユーザーが追加することはできないので入ってません。

 

POI に名前を付けるにあたって、たとえば次のように命名することにしました。

 ・ カフェなら、先頭に Cof を付けてその後ろに店名

 ・ パン屋なら、先頭に PAN を付けてその後ろに店名

 ・ ビュースポットなら、先頭に TENBOO を付けてその後ろにスポット名

 ・ 飲食なら、先頭に Eat を付けて後ろに店名など

 ・ ガソリンスタンドなら、先頭に GS を付けてその後ろに店名

 ・ 銀行なら、先頭に BANK を付けてその後ろに店名

 ・ 民家なら、先頭に HOUSE を付けてその後ろに名前

 ・ 甘未・菓子・ケーキ・ドーナツ等の店なら、先頭に Swe を付けて後ろに店名

 ・ バー等なら、先頭に BAR を付けて後ろに店名

 ・ 公衆便所なら、先頭に TOILET を付けて後ろに名称など

 ・ 湧き水・泉・名水・滝などなら、先頭に MIZU を付けて後ろに名称など

 ・ 病院なら、先頭に HOSPITAL を付けて後ろに名称など

 ・ 無料駐車場なら、先頭に P を付けて後ろに名称など

 ・ 公園・広場・里・池・花畑・緑道・大樹・谷戸・水辺などなら、先頭に PARK

 ・ 展望スポットなら、先頭に TENBOO を付けて後ろに名称など

 ・ 学校・スクールなどなら、先頭に SCHOOL を付けて後ろに名称など

 ・ ダムなら、先頭に DAM を付けて後ろに名称など

 ・ 販売店なら、先頭に STORE を付けて後ろに名称など

 ・ 美術館・記念館・ギャラリーなどなら、先頭に KAN を付けて後ろに名称など

 ・ 橋などなら、先頭に BRIDGE を付けて後ろに名称など

 ・ 建物などなら、先頭に BLDG を付けて後ろに名称など

 ・ 墓・霊園・屈・道標・古墳・石・塚・跡・碑・像・祠などなら、先頭に MONU を付けて

 ・ 寺・神社・教会・宮などなら、先頭に TERA を付けて後ろに名称など

 ・ 交差点などなら、先頭に TEN を付けて後ろに名称など

 ・ 森・林・木などなら、先頭に PLANT を付けて後ろに名称など

 ・ 丘・峠・平・山頂などなら、先頭に HILL を付けて後ろに名称など

 ・ 自転車関連なら、先頭に CYCLE を付けて後ろに名称など

 ・ 駅などなら、先頭に EKI を付けて後ろに名称など

 ・ 警察署などなら、先頭に POLICE を付けて後ろに名称など

 ・ 公共機関などなら、先頭に PUBLIC を付けて後ろに名称など

 ・ 酒蔵・酒造・ワイナリー・ブリューワリーなどなら、先頭にWを付けて後ろに名称など

 ・ オートバイ関連などなら、先頭に BIKE を付けて後ろに名称など

 ・ ホテル・旅館・宿などなら、先頭に H を付けて後ろに名称など

 ・ 港湾施設などなら、先頭に MINATO を付けて後ろに名称など

 ・ 激坂などなら、先頭に HILL を付けて後ろに名称など

 

たとえばこのようにおけば、検索では、かな漢字変換機能は不要で、英数字だけの入力で絞り込んで検索結果リストから選ぶという手順になります。

 

小生が入手した eTrex30x はヨーロッパ仕向けの製品だったので、購入時にヨーロッパの地図がプリインストールされてましたが、手違いがあって消してしまいました。いずれにせよ必要なのは日本地図なので、Open Street Map (OSM)日本地図を入れました。

 

eTrex30xに予め登録しておいたPOI情報を使って目的地を指定する方法の他にも、出先で使える技があります。それは、スマホでGoogleマップを検索すると、目的地の緯度経度が数値でわかりますので、その値をeTrex30x にその場で入力して目的にするという方法です。その方法を利用するにあたって、先ずは設定を確認しましょう。

 

 「設定」→「位置フォーマット」

 

 位置フォーマットとして hddd.ddddd°を選択

 

 測地系としてWGS84を選択

 

 スフェロイドには選択肢がありませんがWGS84でよし

 

使い方は以下のとおりです。

 

スマホでGoogleマップを開いて、目的地を指で長押しすると、位置情報が10進数で表示されるので、eTrex30x に入力してやるのです。下のスクリーンキャプチャでは、スカイツリーを行先にするため、交差点を長押ししています。そうしないと「スカイツリー」と表示されてしまい数字を得ることができないからです。

 

 

 

 

 Googleマップで得た座標値を見て eTrex に手動で入力

 

 OKする

 

 旗が立ちました

 

 拡大してみますね

 もう少し拡大してみますね

 更にもう少し拡大してみますね

 

 

eTrex30xのナビ機能

 

eTrex30x は、端末内部に地図データを格納して、スマホ接続不要で、端末単体で完璧にナビしてくれます。端末内部に格納するための地図データは、ガーミンから購入することもできますし、フリーウェアの地図(Open Street Map)を入れることもできます。ネットを検索すると最新版の Open Street Map (OSM) をガーミン eTrex で扱えるファイルに変換して提供してくださっているサイトを見つけることができます。

 

そのようなサイトでは、POIや地名などが仮名漢字交じりの日本語になっているガーミン用OSMファイルもありますし、それらをもとに自動的にローマ字に変換して、日本語フォントをインストールしてない eTrex でも使えるようにしたガーミン用OSMファイルもあります。日本語フォント不要なので後者の方が便利そうですが、じつは、漢字の読みを機械的にローマ字にしているので、POIや地名が難解です。例えば以下のとおりです。修行を積めば使いこなせそうな気もしないでもありませんがシュール感があります。

 

厳島湿生公園(いつくしましっせいこうえん)→ Itsukushimashitsunamakouen
林屋呉服店(はやしやごふくてん)→ Hayashiyakurehamise
マツダターンパイク箱根 → Matsuda Ta-Npaiku Hakone
道和幼稚園(どうわようちえん)→ Doukazuyouchien
石川肉店(いしかわにくてん)→ Ishikawanikumise
西高等学校(にしこうとうがっこう) → Nishitakanadogakkou
震生湖(しんせいこ)→ Shinnamamizuumi
半原越(はんばらごえ)→ Habarakoshi
法論堂(おろんど)→ Hourondou
モスバーガー → Mosuba-Ga-
ローソン → Ro-Son

 

eTrex30xでは、目的地を指定することで、現在地から目的地まで経路を計算してくれて、道を案内してくれます。経路検索のオプションとして、車両選択{車/バイク・徒歩・自転車}、回避{Uターン・有料道路・幹線道路・未舗装道路・カープール}及び優先事項{時間優先・距離優先}を指定できます。

 

小生は、ロードバイクで利用するので、経路検索のオプションは、自転車、有料道路回避、未舗装道路回避にしています。そして距離優先にすることが多いです。車両に自転車を指定し、幹線道路回避を指定した状態で、eTrex30xに目的地を指定してナビをお願いすると、極力幹線道路を使わないで裏道を案内してくれます。自動車用カーナビでは絶対に案内してほしくない面白い裏道をたくさん案内してくれます。

 

道路の上に経路が色違いの線で表示され、その線上に要所要所で白い矢印が現れます。また、右左折の手前で通知音が鳴ります。また、直線であっても要所要所で道が合っていることを示す通知音が鳴ります。

 

ナビ経路から外れたときには、10m~30m程度でeTrex30xがそれを検出してくれるようです。そして自動的に経路の再計算が始まって、現在地点から目的地までの新しいナビ経路が画面上に現れます。最初のナビ経路に戻そうとするアルゴリズムではありません。なので、何か道の途中で発見したから、ナビを無視して、そこへ寄ったとしても、現在位置から目的地までの新しいナビ経路を計算してくれます。だから気まぐれポタリングでも、変に振り回されることもなく安心です。

 

現在のナビを中止して、新しい目的地へのナビをしてもらうことも簡単にできます。このように、いわゆるターンバイターンナビで道に沿ってナビしてもらうこともできますし、現在位置と目的地との間を結ぶ直線を常に表示しつつ、現在位置を中心に画面上に地図を表示してくれるというモードもあります。

 

常に進行方向が上になるように地図を画面に表示してくれるモードと、常に北が上になるように地図を画面に表示してくれるモードがあります。小生は、常に進行方向が上になるようにして使っています。

 

外部GPXファイルをeTrex30xで参照

 

パソコンなどからeTrex30xにGPXファイルなどを送り込んで、その経路をeTrex30xの地図上に重ねて表示し続けるモードがあります。現在位置を常に中央にして地図が自動的にスクロールするので、それを見ながらGPXファイルどおりに自転車を走らせることができます。

 

たとえば、Garmin BaseCampなどのアプリケーションソフトウェアを利用して、サイクリングコースを設計して、それをGPXファイルとしてeTrex30xに入れて、参照しながら、自転車を走らせるといった使い方ができます。

 

eTrex30xはロバスト

 

LEZYNE MEGA XL というサイコンを使っていたときには困ったことがありました。それは、結構頻繁にフリーズしてしまうため、その度にGPSログがぶっ飛んでしまうことです。eTrex30xはごくまれにではありますがフリーズすることがありますが、そんなときでも、電池を抜き差しすれば復帰しますし、GPSログは、フリーズする直前まで健全に残りますので、復帰後はそこへGPSログが追記されていくので安心です。これは、使用中に eTrex30x の電池が無くなってしまったときも同様です。

 

Bryton 750 というサイコンを使っていたときには困ったことがありました。それは、ロードバイクの走行時の振動や夏の直射日光による熱に弱そうだと疑われることです。夏の真っ只中の頃からタッチパネルの感度が悪くなり始め、購入(使用開始)から1年を少しだけ超えたときにタッチパネルの反応が無くなってしまいました。アマゾンで購入したものだったので修理を受け付けてもらえませんでした。アマゾンの言い分はアマゾンは修理担当を置いてないのでメーカに問い合わせろと言い、メーカ(Bryton本社)は、修理は販売店経由でしかやらないと言うんです。いわゆる海外で求めて日本に持ち込んだeTrex30xの修理対応について、ガーミンがどんなスタンスなのか怖くて聞けません。

 

ご参考

 

ガーミン端末への格納用img形式OSM日本地図FileをBaseCampに組み込む

 

CATEYE CC-RD410DWストラーダデジタルワイヤレス

eTrexとの無線接続が可能だったかもしれないとわかったときには、すでに手放した後だったので残念。

 

LEZYNE MEGA XL 

標高表示が500mも狂ったり、知らないうちにナビ機能がフリーズするのに、ファームウェアアップデートがありましたが遂に修正されることがありませんでした。

 

Bryton Rider 420

走行経路だけが表示され地図表示の無いナビ機能を体験してみたくて購入しました。サイコン機能の方は申し分ありませんでしたが、地図が無いと100mくらいの解像度になることを体験することができました。知らない道で100m以内に右左折が2回以上あるとナビとして機能しないことを身を以て知ることができました。

Bryton Rider 420 サイクルコンピューター(1)

Bryton Rider 420 サイクルコンピューター(2)

Bryton Rider 420 サイクルコンピューター(3)

Bryton Rider 420 サイクルコンピューター(4)

 

Bryton Rider 750

サイコン機能はBryton Rider 420と同じく申し分ありません。また、Brytonのスマホアプリと常に接続しておく必要がありますが、目的地までの経路の自動再計算(リルート)機能がありますので、当初予定していた道から外れても、ナビしてもらえます。方向音痴だしナビされたところで曲がり損ねることも多い小生には、リルート機能が必須なのです。地図はOpen Street MapですがPOIが全く入ってないので面白くないのが残念。小生はナビのリルート機能に魅力を感じたので新発売で即購入しましたが、初期ロットにありがちな不良かもわかりませんが、1年ほどでタッチパネルが機能しなくなってしまったため操作不能になりました。アマゾンで購入しましたが、アマゾンは修理の中継ぎをしてくれないし、Bryton社はアマゾンで受付しろと言うので修理してもらえず泣き寝入りしました。

 

iGPSPORT BSC300

ナビ機能がありますがリルート機能はありませんが、うっかり購入してしまいました。サクサク動くのですが、文字化けが治りません。2023-12-08にiGPSPORT社へ電子メールで報告したところ、次回以降のバグフィックスリリースで対応を検討するから、報告内容については、これで解決したことにしてほしいと応答があり、それを信じてOKとして待ちました。本日までに何度かファームウェアバージョンアップがありましたが、2024-06-09現在、依然として文字化けは解決されないままです。しかたがありませんので、本日現在の最新ファームウェアでも文字化けすることを確認したうえで再び同じ電子メールを送っておきました。ちなみに、当方で確認できている文字化けは、「→」や「辻」などが「□」になるという内容です。

Hardware Version: 1.10
Software Version: 1.41
Boot Version: 1.13
BLE Version: 1.03
May 10 2024 14:39:35

BSC300にはオートリルート機能がありませんので、ルートを外れたら、ナビを一旦停止させてから、現在地からナビを始めることになります。現在地からナビを始めるには、iGPSPORTアプリをスマホに入れておく必要があります。

 

eTrex20J

 小生は、eTrex20 の日本仕向けの eTrex20J 及び eTrex30 の日本仕向けの eTrex30J も持ってます。GPSストア閉店セールのときに買いました。しかし今は残念ながら eTrex30J は走行中に落下してしまって以来行方不明です。

 eTrex20J及びeTrex30Jは、eTrex20及びeTrex30にそれぞれ日本語フォント及び仮名漢字変換機能を含めた2バイト日本語文字コード処理等が追加されている日本専用モデルでした。

 eTrex30Jの検証はもはやできないのですが、日本語表示機能だけ有効化したeTrex30xを持っているのでそちらの検証は可能です。

 eTrex20JとeTrex30xとを比較すると、POIが数十個程度のうちは無視できる程度なのですが、POIの数が千個前後になってまいりますと、eTrex20Jでの目的地指定作業にかかる時間が壊滅的に長くなってしまいます。ちなみに日本語表示可能化してある eTrex30x では問題ありません。

 繰返し申し上げることになりますが、eTrex20J 本体に、あらかじめ Point Of Interest (POI) を格納しておいて、それを検索して選ぶという方法が壊滅的に遅くて使えないんです。仮名漢字変換機能のとき及び検索のときに、一文字入力する毎に15秒~30秒くらい待たされてしまう状況に陥るんです。

 eTrex20も30も30xも、もともとユニコードで動いているらしいので、日本語だから処理が余計に必要になってそれが原因で遅くなるという説明には合理性がないと思います。また、どういうわけか知りませんが、eTrex20J及びeTrex30Jには、日本語シフトJISコードの処理機能も追加されているらしいです。従って、遅くなる原因については、どういうわけか追加されている日本語シフトJISコードの処理の実装方法に問題があって、壊滅的な遅さの原因になっているのではなかろうかと小生は類推します。